【心に残るおすすめ本・漫画・映画】

【おすすめ短編漫画】「休日ジャンクション」真造圭伍 【全編あらすじと感想】

概要 「うまくいかないことばかり、それでも生きていく」

映画『森山中教習所』の原作者でもある真造圭伍、待望の短編全7編収録。休日をテーマにした各編につながるのは、「うまくいかないことばかり、それでも生きていく」という言葉だろうか。
もっと遠くまで行けると思いがちな休日でさえ、現実はそうもいかず、また同じような毎日である日常に戻っていく。登場人物の現実との折り合いを主に置くなか、それでもそんな日常が少しでも良くなればと願う気持ちのささやかな「希望」が静かに提示されているよう。ぶっとんだ編もあり、泣ける編もあり、真造圭伍氏のセンスがこの短編集でわかるおすすめの作品です。

休日 真造圭伍

あの頃の衝動で海にいけなかった短編 

3ヶ月ぶりに会う学生時代の友人を車で迎えにいった。友人は前歯がなくなっても、歯医者に行くお金がなく、そもそも働いていなかった。自分は明日も仕事で早いのに、彼はこのまま海に行こうかと学生時代のノリを出す。行きたい気持ちともう行けない気持ちがないまぜになったような感傷的な休日が終わろうとする。大人になると、あの頃ノリで行けた海が行けなくなるのかも知れない。明日も仕事、大人になった誰しもにおすすめの短編です。
【試し読みはこちらです】

兄と妹 真造圭伍

写真に頼るな、目で見る大切さを教わる短編 

漫画家の妹と同居の兄。兄は妹の健康に気遣いジムに誘った。身体がついていかない妹。兄の普段見せない運動能力と普段行かないジムをマンガの資料にと写真を取ると「写真に頼るな、目で見ろ」と兄に言われる。目で見ることはそのまま心が動く様を焼き付けること。今日のことを、いつもは写真で抑えていただろうシーンをソラで描いた妹。いい休日になった。いつも写真に頼ってしまう人におすすめの短編です。

美少女なんて大嫌い 真造圭伍

あの頃の自分は今の自分ではない、当たり前のことに気づく短編 

近所の美少女の花ちゃんとたまたま仲良くなったシゲルはお互い好きなバンドのライブを見に行くことに、幼少の頃に叶えられなかった想いを彼女に託してしまったシゲルの気持ちと、少しだけ背伸びがしてみたかった少女の休日。幼少を思い出すような時、あの頃の自分には戻ることは出来ないし、いまの自分がやり直すようなこともできないという当たり前に気づかせてくれるおすすめの短編。

ゴジラカップル 真造圭伍

町にゴジラがやってきた休日のカップルの短編

ゴジラがやってきてもセックスを続けるカップル。こんな状況でしてるのは自分達だけだと、さらに燃えてしまう。ゴジラがいよいよ近づいて、防衛軍が交戦するそばでもやめようとしない。ゴジラが通り過ぎて行ったとき、ふたりもいった。うそみたいな休日。日常と非日常の組み合わせとそのコントラストが面白くおすすめです。

つりぼり松田さん 真造圭伍

釣り堀に訪れた夏の思い出の短編 

松田さんは日曜日の休日に居場所がなく、いつものように釣り堀にいた。隣には何回か見かけたことがある若い女性がいた。釣れるコツを教えたことで少し話が広がる。彼氏と別れて、一人さびしく釣りをしている彼女を松田さんはごはんに誘おうと声を振り絞った。男は偶然というか非日常を夢見がちというか、歳柄にもない松田さんの心が動く様がなぜか共感できてしまう夏の思い出。おすすめの短編。

がんばれよういち 真造圭伍

うまくいかないことばかり、それでも生きていく短編 

よういちは父の好きなトライアスロンの選手として、地方大会に参加した。本人が好きというよりも父の期待に応えたい想いで続けていた。今回も入賞できず、結果も芳しくなかった。気丈に振る舞うよういちに父がかけた一言で、よういちの心のうちが溢れ出す。うまくいかないことばかり、それでも生きていく。家族のうまくいかない日があろうとも、また少し関係が深まっていく感じと夕方の情景が重なって眩しいなと。うまくいかないことばかりのときにおすすめの短編。

家猫ぶんちゃんの一年 真造圭伍

寄り添いたい場所がある短編 

猫のぶんちゃんの主人は、自動餌やり機を買ってくると「これで、おれがいなくても大丈夫」と気軽に思った。主人は仕事もなくお金もつき、心不全でアパートで倒れた。ぶんちゃんは主人がまだ寝てると思ったのか。やがて餌やり機の餌は底をつき、外に出て凌ぐ日々、主人は遺体処理として回収され、野良猫になったぶんちゃん。誰かに拾われたあとも忘れられず、また主人のいたあのアパート、主人の寝ていたあの場所に寄り添う。ぶんちゃんの無言の愛情が言葉なく、ただただ心にくるおすすめの短編です。

 

 

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【センスは知識からはじまる】で学んだセンスとは?・センスの磨き方【要約感想】(水野学 著)

センスとは何か?それは知識の集積による判断である。著者はまず対象への「普通」という判断基準を作ること、それには知識が必要である。センスは学習による成果であり、感性だと思っていたセンスについての考え方が変わったことと、センスの磨き方を本著から学びましたので、要約と感想をご紹介します。

公式概要

“センス”とは、特別な人に備わった才能ではない。それは、さまざまな知識を蓄積することにより「物事を最適化する能力」であり、誰もが等しく持っている。今、最も求められているスキルである“センス”を磨くために必要な手法を、話題のクリエイティブディレクターが説く!

クリエイティブディレクター水野学氏について

水野学はクリエイティブディレクターとして多種多様なデザインを手がけています。下記には本著で紹介されたデザイン例です。

THE SHOP
日常に使うモノの「THE○○」と定番をあらゆる視点からセレクトしたショップ

フランダースリネンバッグ
本著で紹介の水野氏が手掛けたブランド。リネンという素材の知識から作り上げたブランド。

 

センスは知識からはじまる【要約感想】

【目次】

Prologue センスは生まれついてのものではない

Part1 センスとは何かを定義する
・センスとは、数値化できない事象を最適化することである
・まず「普通を知ること」が必要である
・子どもは自由に「センス」を発揮している
・美術の授業が「センス」のハードルを高くしている

Part2 「センスのよさ」が、スキルとして求められている時代
・センスのよし悪しが個人と企業の存続に関わる時代
・時代は「次の利休」を求めている
・技術がピークを迎えるとセンスの時代がやってくる
・新しいものが広がるには時間がかかる
・なぜ日本企業の製品にはセンスがないのか
・日本企業に必要なのはクリエイティブディレクター
・「経営者のセンス」が企業の底力になる
・クリエイティブディレクターは企業の医者である
・どんな職種にもセンスが必要不可欠になっている

Part3 「センス」とは 「知識」からはじまる
・すべての仕事において“知らない”は不利
・ひらめきを待たずに知識を蓄える
・イノベーションは、知識と知識の掛け合わせである
・センスとは、知識にもとづく予測である
・客観情報の集積がその人のセンスを決定する

Part4 「センス」で、仕事を最適化する
・「流行っている」=「センスがいい」ではない
・効率よく知識を増やす三つのコツ
・センスをもって選択・決断する
・もし、チョコレートの商品開発者になったのなら?
・知識のクオリティが精度の高いアウトプットをつくり出す
・知識を加えて、消費者のベネフィット(付加価値)とする
・アウトプットの精度をあげてシズル感を最適化する
・知識をセンスで測ってアウトプットを決定する

Part5 「センス」を磨き、仕事力を向上させる
・センスアップはスキルアップにつながる
・企画書は、消費者に知識、物語、価値を知らせる手紙
・「好き」を深堀りしてセンスあるアウトプットをする
・「好き嫌い」ではなく例を挙げてセンスを磨く
・「せまいセンス」でも、それを軸に仕事をすることはできる
・日常の工夫で、思い込みの枠を外す
・書店を五分で一周して気になったものが何かを確認してみる
・「幼児性」で新鮮な感性を取り戻す
・人生の先輩と話してセンスの底上げをする
・「服選び」は自分を客観視し、最適化する身近な方法

Epilogue 「センス」はすでに、あなたの中にある

 

Part1 センスとは何かを定義する 【要約・感想】

水野氏はセンスとは、

「数値化できない事象を最適化することである」と説きます。

これの本質は、センスが数値で計れるものであれば、売れている服がセンスがあるという論理も納得ができるものであるが、実際はそうではない。

つまりセンスは数値化は出来ないけれど、そこには確実に良し悪しがあるものであり、まずは良いか悪いかの「判断基準」である「普通を知ること」と説きます。

そのモノの「普通」が分かれば、普通より良いか、普通より悪いかの判断でまずかなりの精度をあげることができます。

多角的、多面的に物事を計った上で、「普通」を見つけだし、設定する能力が大事だと、氏はセンスを踏み込んで解説しています。

Part2 「センスのよさ」が、スキルとして求められている時代 【要約・感想】

人間は、技術がその時代のある一定の到達点に達すると、美意識の方に関心が行く。と氏は考えています。

それは戦国時代の千利休や、江戸時代の芸術文化の豊穣さだったり、ヨーロッパのルネッサンスや産業革命以後の「アート・アンド・クラフツ運動」など、技術からセンスへの揺り戻しが定期的に起き、時代を変えていくと。

そして現代はアップルが代表的な存在あるように、「センスの時代」が来ていると説きます。

しかし、日本にはセンスのある企業や商品が世界に比べまだまだ少なく、その理由のひとつとしては、市場調査が先行したマーケティング先行の商品開発があるそうです。

市場調査の手法や精度はもちろん否定はできませんが、消費者のインサイトの核心を突くような「iPhone」のような商品の輩出はマーケティングではなくセンスで作られているのだから、日本もセンスを意識していくべきだと説きます。

Part3 「センス」とは 「知識」からはじまる 【要約・感想】

氏は
センスとは知識の集積。
知識とは紙、センスとは絵。知識があればあるほど、自由な絵を描くことができる。
と説きます。

そしてセンスはひらめきのようなものとして扱わず、まず、「誰もが見たことがある当たり前のもの」の知識を集めることから始めるべきだと説きます。

みんなが驚くものは過去の延長線上にあった「ありそうでなかったもの」です。それならまず当たり前のものを知ることから驚きは生まれます。

アウトプットの前段階に、知識を前提とした方向性の決定が大事であり、イノベーションは知識と知識の掛け合わせから生まれます。

そしてセンスとは知識に基づいて予測ができることとし、未来予測の精度は知識量である程度の予測ができることが増えます。

例として、氏は、物件の選定などに都市計画の知識などを加味して、今後の周りの建物の日当たりなどを予測しながら選定したそうです。知識を得る必要性がうかがえます。

このように知識の蓄えと予測の繰り返しでセンスは一層磨かれます。

そして、センスの敵は主観だと説きます。上記の知識という客観的な情報の集積の障害として主観はできるだけ除することを説きます。

思い込みを捨てて客観的な情報を集めましょう。

Part4 「センス」で、仕事を最適化する 【要約・感想】

効率よく知識を身に着けていくコツは3つあると氏は解説しています。

  1. 王道から解いていく
  2. 今、流行しているものを知る
  3. 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる

1の王道とは、

・定番
・一番良いとされているもの
・ロングセラー
と言われているものです。

王道のものは、改善と洗練を経て、その地位にいるわけであり、それらを知ることは「そのものらしさ」を知ることに繋がります。まずは王道を抑えましょう。

また、王道を抑えることは副次的に、それが王道かどうか、王道はいくつもあることに気づくなかで、ある判断基準であればこれが王道だと多角的な判断ができる知識が得ることが出来ます。

2の今、流行しているものは、

王道と逆の流行を抑えることで、知識の幅が広がります。

流行を抑える上で活用したいのが雑誌を読むことです。ネットでも情報はたくさんありますが、どちらかと言うと速報性が重視され情報に深みがありません。

雑誌は出版過程で情報が網羅的かつ深化されているので、雑誌で現在の流行を抑えていくことは効率的です。

3の「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみるとは、

王道と流行を抑えたあと、その他の情報を得てそれらにはある「共通項」や「一定のルール」を自分で分析することです。

インテリアショップで言えば、王道と流行を抑えたあと、それ以外のお店を見て回り、インテリアショップにある「共通項」や「一定のルール」を見つけます。

例えば、入りやすいお店の共通項や、レイアウトの一定のルールなどを分析解釈することで、インテリアショップらしさをより自分のなかに蓄えることが出来ます。

これらを3つの方法を活用しながら知識を増やしていきます。知識の質はアウトプットに直結します。例えば、下記の3者の説明で質の高いものはどれでしょうか?

1「福沢諭吉ってすごい」

2「福沢諭吉って慶應義塾大学を作った人ですごい」

3「福沢諭吉って「日本を変えてやると」言っていた中岡慎太郎らが騒いでいた頃、「次の時代には学問が必要になるだろう」と考えて、慶應義塾大学を作った人だからすごい」

では、3の説明が情報の質量も高く、説得力があります。知識があるというのはこのようにアウトプットの質に直結します。

Part5 「センス」を磨き、仕事力を向上させる 【要約・感想】

氏はセンスは仕事力であるスキルアップにもつながると説きます。

センスを高める知識の収集は自分を聞き役にすることが不可欠であり、それは他者の人の知識を吸収する上で必要なコミュニケーション能力の向上にもつながります。

また、相手の好みを深掘りすることで表面的な嗜好でなく、なぜ好きなのかまで聴くことでより好みに最適かつエッジがたった提案ができます。聴くことはセンスを磨く上で大切な所作です。

また提案をするときに、実際にインプットした情報をアウトプットする上で大切な3原則があります。

それは「誰が、どんなときに、どんな場所で使うのか」この3Wを常にイメージしながらアウトプットすることで最適な提案ができます。

また知識があることはセンスに大きく関わると説明しましたが、オタクと言われるほどの狭い範囲で深い知識はどう活用するべきか。

これもその対象から類推して自分の知識に紐づけて発想していくことで仕事に活かせると説きます。

例えば、魚が好きな人が、動物クッキーの新商品を提案するとしたら、魚のクッキーはどうか?スイミーという物語が一般的に知られているので、赤い魚のクッキーが一枚入っている魚クッキーと発想は広げることはできます。

 

知識を付けていくときには、不勉強と思い込みをなくすことが必要です。

その対策としては、
・書店を五分で一周して気になったものが何かを確認してみること
・人生の先輩と話してセンスの底上げをする
・「服選び」は自分を客観視し、最適化する身近な方法

がおすすめです。

これらは、嗜好や主観が強く、本屋では決まった場所から、本屋全体を回り、自分が少しでも気になった本を開いてみたり、どんな分野や言葉かを覚えておくことで、客観的な情報を増やすことが出来ます。

人生の先輩には、自分の知らない世界や経験知を得ることが出来ます。

服選びでは、自分や相手への主観をなくし客観的な情報から最適化する作業が効果的です。下記の作業工程が服選びで学べると解説しています。

1 ターゲットの表面的な「特性」を正確に把握する (スタイルなど)
2 ターゲットの内面的な「特性」を正確に把握する (嗜好や性格など)
3 最適化の条件を設定する (ゴール、どうなりたいのか)
4 最適化に向けた機能を設定していく (ゴールを満たすもの)
5 時代環境を考えて調整する (流行など)

 

まとめ

以上、「センスは知識からはじまる」の要約感想でした。

センスとは?知識の集積であり、
センスの磨き方は?知識を客観的にどんどん吸収していくことが大切。

これらを学習習慣の基本的な考え方として取り入れていくことはどの分野でも大切だと感じました。

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【おすすめ映画】孤狼の血 平成の終わりに昭和のヤクザ映画がエンタメに気づかせてくれた【ネタバレ感想】

あらすじ

“血湧き肉躍る、男たち渇望の映画“が誕生した。
昭和63年。暴力団対策法成立直前の広島の架空都市・呉原を舞台に、刑事、やくざ、そして女が、それぞれの正義と矜持を胸に、生き残りを賭けて戦う生き様を描いた映画『孤狼の血』。決して地上波では許されない暴力描写とエロス、耳にこびりつく怒号と銃声。観る者は生々しいまでの欲望にあぶられ、心は必ず火傷する。『警察小説×仁義なき戦い』と評される同名原作を映画化した本作は、昨今コンプライアンスを過度に重視する日本の映像業界と現代社会に対する新たなる挑戦であり、数々の【衝撃作】を世に送り出してきた東映が放つ【超衝撃作】である。by officialsite

平成の終わりのいまだからこそ、この映画には特別な価値がある

昭和の最後を舞台とした映画が平成の終わりに撮影公開された背景を少し考えると、この映画はより楽しめると思います。

事前の情報では、昭和のヤクザ映画や暴力活劇の復活など最近の映画にはない色濃さが新鮮に映ったと耳にした記憶がありました。

平成の時代とはなんだったのか。最中にいる現在には分かりかねる時代性がいま昭和の躍動を覗くことによって、輪郭が感じられるのかもしれません。

個人的にはその声があったせいか、

「平成がカウントダウンされているこの時期に昭和の時代を見てみよう」

と思い立ち観賞しました。

しかし、はじめに鑑賞中や観賞後の感覚を述べると、
先述の輪郭を感じたいと書きましたが、そんな堅苦しいものではなく、至って単純な動機だったのかもしれないことを打ち明けます。

多くの方もこんな感覚があるのかなとは思いますが、平成のルーツでもある昭和の息吹を感じることで、よく覚えるあの「懐かしさ」に会いに行きたかったのだなという気持ちです。

その時代を生きたこともないのに勝手に懐かしさが胸をくすぐってくる感覚。
これがただただ感じたかった。

昭和と平成で切り分けるのは野暮かもしれませんが、これぞ昭和、懐かしいなどと思ってしまう要素がこの映画にはたくさん詰まっていました。

列挙すると、暴力、面子、性、金など、人間の根源的な欲望や気高い誇りなどが血みどろに塗りたくられている。

そんな臭い立つ濃度の高い色でスクリーンごと塗りたくられている。そんな印象でした。

暴力が過ぎる、血が過ぎる、薄目になるようなシーンもありますが、薄目になればなるほどドキドキしている自分がいたことがこの映画に引き込まれていた証拠です。

少しネタバレしますが、冒頭のシーン、ヤクザがヤミ金業者をしめるシーンがあるのですが、養豚場の豚の檻のなか、ボコボコにしばき、豚の糞を喰らわせ、枝切り鋏で小指をぶち切る圧倒的な暴力で一気に引き込まれました。

これだけやりたい放題やって、脈拍をあげにあげてくれ、どう終わるのかと思った終盤には敵対的な人物や組織への勝利や、正義と悪の反転、その他伏線も回収され、映画らしく終わってくれたことで、これは映画であり、これこそがエンターテイメントであることを気づかせてくれました。

エンターテイメントであることを気づかせてくれることはつまり、名残惜しくもこの世界から離れなければいけない合図でもあります。

それは寂しくも映画の方から手を振って幕を閉じてくれることで、また現実の世界へ戻してくれる映画の優しさです。

物語の世界へ引き込み、現実の世界へ戻してくれる。

物語以前の自分と少し違うような心持ちで、物語が少し背中を押してくれる確かな心強さを感じながら。

この感覚が強くあればあるほどエンターテイメントとしての魅力も強いのかなと個人的には思いますが、この映画にもそれを強く感じました。

昭和の「懐かしさ」の世界へ引き込み、根源的な欲望を沸き立たせ、最後には物語でありフィクションであることを鮮やかな種明かしで締めくくる。

平成が終わるカウントダウンのこの時期に昭和を見せてくれたタイミングは、映画やエンターテイメントの持つ力、原点を再認識させてくれる上で必要な舞台装置だったのかなと勝手に合点してしまいました。

ただ、エンターテイメントとして成し得るには、現在の映画技術の進歩も欠かせない要素であり、昭和を懐かしむだけの懐古主義でなく、現在の技術でもって、終始観賞に耐えうる要素があってこその映画でした。

具体的には、人が仏様になった姿がリアルに映されるシーンは昭和では表現できない技術があってこそです。「役所広司ズブズブじゃん・・・」「石橋蓮司の最後の顔マジか・・・」誰かに話すとしたら映画の筋や出来不出来なんかよりもこんな言葉から切り出したくなるほど目を見張るものがありました。

役所広司と松坂桃李。二人が演じる正悪の表現の対比が印象的。

ヤクザ映画は、役者それぞれが沸点のあたりにいる人間を表現しているので、
人間臭さがより際立つのかなと思いますが、主役の大上を演じる役所広司氏はひときわ際立っていました。

ヤクザも警察も行き着くところは正義でも悪でもない。

その矛盾に満ちた存在を象徴し、間を行き来するような役柄の大上は暴力、性、金にまみれた人物として、松坂桃李演じる新人キャリアの日岡の純白さと時に反発し合います。

そりゃ誰でも反発するよというほどの大上の行為は、観客に正悪の混濁を提示し続けます。この人の存在は正義なのか悪なのか。逡巡が脈拍と掛合わさりいよいよ理解することを諦めるほどの存在を見事に表現する役所広司氏には、ふと、この人と同時代にいられて良かったといった素朴な感動が絶えませんでした。

そんな大上がこれまでしてきた事実の全てが、ヤクザと警察の存在の外にいる「カタギ」のために向かっていたことが、最後に明かされます。

これまでの大上の行為に対しての日岡の反発は消え、日岡自身が大上の弔いを持って、ヤクザも警察も正義も悪も越えていく、日岡の成長や強さが描かれる流れは、ヤクザ映画と警察小説、さらに青年の成長譚の要素も折り重なります。

ネタバレになってきましたが、続けますと、純白だった日岡が覚醒したかのようなシーンがあります。

大上がリンチされた現場に赴いた日岡。その犯行を犯した青年を殴り続けます。

純白さを表現した日岡の白いワイシャツが返り血に染まっていきながらも殴り続けるシーンの松坂桃李氏の目が、これまで映されてきたヤクザ達の暴力的な怖さとは違った別の怖さを感じました。

それは沸点を越えてしまった、いわゆるイッてしまった怖さです。

炎の熱は赤よりも青にあるように、冷淡で狂気的な松坂桃李氏の目が、映画のなかで異端な怖さを見せてくれました。

物語のなかでは、大上が昭和を生きた最後の存在であり、日岡が終わる昭和から平成の時代を生き抜こうとする存在として一見対立された構造が描かれていますが、わずかな時間ではあるけれども色濃く生きた二人の時間の終わりを境に、対立から次世代に引き継がれていく継承への着地で幕を閉じます。

いち観客ながら鑑賞後には、大上ならびに役所広司氏の存在感には「平成にとんでもないものを残してくれたな」というような日岡ならびに松坂桃李氏の気持ちを察してしまうほどのインパクトが置き土産に残ります。

しかし、松坂桃李氏のあの狂気な目を目撃した、いち観客にはそれと同時にこれからの時代、平成が終わり新しい時代の役者として大いに期待させてくれる存在にも映りました。

この作品の次はこれがおすすめ

平成の時代に発表されたヤクザ映画で言えば、やはりアウトレイジです。

見比べて楽しむことをおすすめします。

【Kindleおすすめ漫画】千年万年りんごの子  妻を神様から守る夫の一世一代の愛

あらすじ

親を知らない夫。りんごと育った妻。夫婦は、りんごの村の禁忌を破った。――雪深いりんごの国に婿入りした雪之丞(ゆきのじょう)。昭和の激動から離れ、北の家族と静かに巡る四季は親を知らない彼の中になにかを降り積もらせてゆく。それは冬、妻の朝日(あさひ)が寝込んだ日。雪之丞の行動が、りんごの村に衝撃を与えた。りんごの時間が動き出す、田中相 初連載作!

りんごの禁忌、雪国のアダムとイブの物語

あらすじにもあるりんごの禁忌とは、夫婦が暮らす村に祀られている「おぼすな様」の神木に実ったりんごを、雪之丞が朝日に食べさせてしまったことから始まります。

その村には「おぼすな様」に既婚の娘を捧げる風習があり、近年は村人自らその風習を絶ち、誰も神木に近付こうともしなかった。それを雪之丞が知らずも「おぼすな様」に朝日を捧げてしまうことに。

期日は1年後の祀り日。髪や爪が急激に伸びたり、身体が少し小さくなっていったりと朝日の姿は日に日に変化していきます。

この村に来て、これまでの疎外感や家族というものに諦観を決めていた雪之丞の心の雪が溶け出した矢先、溶かしてくれたキッカケを与えてくれた朝日がいなくなってしまうかもしれない。雪之丞の心は強く何かを決意しました。

禁忌、神様に立ち向かう雪之丞の夫婦愛は、アダムとイブのオマージュが物語の背景にある「離別」のテーマを強く浮き立たせているようでした。

猫のマメコがなくなるシーンが叙情的、田中相の描く余白

先述の雪之丞の心は強く何かを決意した心象の流れには、この村の人々や家族のつながりが強く影響しています。

雪之丞がこれまでに抱えていた孤独感を新しい家族によって違う形に変化していきます。

誰しも孤独感はあるでしょうが、その寂しさと寄り添いながら、互いにその寂しさを理解しながら、誰もが他者とつながっています。孤独であることを誰かと共有出来たときに、そのつながりはより強く感じられるのかもしれません。

そんなシーンが、さらっと描かれる本作の著者の田中氏の描き方は個人的にはとても惹かれました。

例えば、家族の一員である猫のマメコがなくなるシーンには、猫の習性である死の直前にひと目を離れることが描かれ、14年間も家族だったマメコがいなくなります。

少し前までに雪之丞や甥っ子とマメコの体温を抱きしめながら家族のつながりを温度で確かめていた象徴のマメコが、途端に姿を消し、雪之丞の仕事場であるりんご園で息を引き取っていました。

その姿を朝日と見た二人のやりとりのなかに「りんごの子」というフレーズがあります。生きとし生けるものはすべて土に帰り、この土地ならみなりんごに生まれ変わるというフレーズです。

そんなやり取りを受け、雪之丞が小さな頃からたまに見ていた、ひとり小舟を漕ぐ夢は見なくなったとあるように、猫の死がつながりを強く結びつかせるシーンの叙情感は、強く言葉に発さなくとも伝わってくるものがありました。

喪失の叙情感に胸にきた方には、短編「ファトマの第四庭園」もおすすめです。

【おすすめ短編漫画】「地上はポケットの中の庭」田中相 全編あらすじと感想

吹き出しにするでもない小さな言葉が魅力

by cmoa

上記の画像は、猫のマメコをみんなで抱きしめるシーンですが、これらのコマのなかに吹き出しでなく「小さく発せられる言葉」があります。田中氏の作品にはこの「小さく発せられる言葉」多くあります。

それらが吹き出しのセリフ以外にも登場人物の心象や関係性を理解したり楽しめます。日常的な会話の感覚がこのスタイルによりより日常たらしめいているのもしれません。

それが、このコマのあとにあるマメコの最後のシーンとのギャップにもつながり、強く際立つのかもしれません。

Kindleや試し読みサイトのご紹介

作者 田中相氏について

良い作品を知ると、次に知りたくあるのはその作者という人も多いかと思います。田中氏を知ることができる情報を少し探してみたので紹介します。

今あなたが知るべき漫画家・田中相とは、誰なのか

田中氏の作家になるまでの経緯がインタビューでまとめられています。

 

この次におすすめする本・作品など

田中氏がおすすめする作品などを紹介している記事です。作者のルーツが知ることができるとより作品を楽しめるかもしれません。

【選書サービス】作家・クリエイターが「おすすめ」する本リストから「おすすめ」します。

先述の田中氏の短編集の紹介記事です。各短編どれも田中氏の世界観が楽しめる作品です。

【おすすめ短編漫画】「地上はポケットの中の庭」田中相 全編あらすじと感想

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「1秒の世界」のストップウォッチを作成してみました。

1秒のあいだにいま地球で何が起きているか知っていますか?1秒の世界と題して、この瞬間に地球で起こる出来事を数字で表してくれる本があります。

think the earth 公式サイト

今回は、公式サイトの引用許可のある1秒に起きた出来事をストップウォッチにしてみました。

00:00.000
1秒間に
Start
Stop
Reset

 

上のストップウォッチで時間を計ってみると、その下に経過した秒数で地球にどんなことが起きているかが分かります。データは2008年出版なので、もしかすると記載以上のボリュームになっているかもしれません。

短い時間のなかにある大きな動きを意識することで目の前の「いま」がより大切に思えてくる1冊です。

 

 

 

聴く読書のすすめ

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【おすすめ漫画】節約ロック  大久保ヒロミ 節約が鳴らすお金の音こそロック

あらすじ

彼女に振られた理由、それは30になって手取り20万、貯金もなく、無計画なお金の使い方と、友人とのバンドを趣味にする将来性のなさに呆れられたから。
貯金が出来るようなお金の使い方を身に付けるべく節約に目覚め彼女を取り戻すことにした主人公松本タカオの節約とロックな日々。

感想

彼女に振られて節約に目覚める主人公の、節約レシピが実際に試して感想なんかも描かれていて実生活に役立つ情報と、節約は、買わなくて済んだり自分でやってみると安く済んだりすることで、自分の欲望が市場経済から満たされるのではなく、自分で満たすことも快感の一つなのかなと。ただコストを下げる行為でなく、生活の満足度を上げる行為のような気がしました。そんなことをライトに笑いに変えて教えてくれる漫画です。

 

一巻のあらすじ

男の食費

腹が減ったタカオの冷蔵庫には豆乳しかなかった。いつもなら、外食で済ませるのだがお金もなく、節約に目覚めていたタカオは豆乳を使って腹を満たす湯葉丼を作る。豆乳を温めて表面の膜をひたすらすくっていくだけの地味だがふわとろな料理。

ロックな光熱費

節約の代表、光熱費。これを、見直すべく、トイレ便座にお手製シートや加湿器がわりに新聞紙をバケツの水に挿しておいたり細かい節約を試みるが最後に、契約アンペアを30Aから15Aに下げた。すると、いままで使っていた家電を同時に使用すると停電してしまう。家電の組み合わせを確認していると。

休日と遊興費

彼女のいない休日に、0円で過ごすことにしたタカオ。折り紙をしたり、公園に出かけたり、最後には遊園地にもないタイムマシーンに乗ることにした。それはお察しの睡眠。

贅沢な食事の食費

土用の丑に鰻が食べたくなるが高級品であり、節約思考のタカオは自分で手軽に鰻味を作れないかと色々調べて試してみる。

メンズ美容費

彼女のSNSを見ると男の姿が。ライバルの出現に誰か調べてみると、美容の投稿が多く、負けじとタカオも節約美容を投稿する。ついにはマキコが欲しがっていマイナスイオン導入器を自作する。

彼女のための交際費

ライバルと取引先の関係になってしまった流れで居酒屋へ。お互い節約が趣味であることが分かり、タカオは節約スキルを張り合うがライバルの徹底された節約に尊敬すら抱く。居酒屋の節約術が目から鱗。

アブない被服費

衣替えに今年は新しい服を買わないと決めるタカオ。棚卸ししながら、昔の服に節約毛玉取りを施したり、タマネギの汁で色落ちを染め直してみたりしたが、うまくいかない。そんな時ライバルのSNSを覗くと最近流行りの所有が少ないミニマリスト投稿を見かけ、自身もミニマリストになるべく衣服を選別し始めた。

生きるための医療費

風邪で熱を出したタカオ。病院に行くのもお金がかかるのでお金をかけずに風邪を治そうとする。首にネギを巻き、卵酒を飲むなどしても熱は下がらない。朦朧としてくるなか、タカオは気づいた。一番の節約は生きないことではないかと。節約しながら死ぬのだと朦朧と妄想のあいだにいると、ライバルが家に来て安く病院に連れて行ってくれた。大病院でなく、小さめの病院に、お薬手帳の発行で節約し、院内処方の薬局は外の薬局よりも安く済み、クレジットカードが使える病院でポイントを貯めることもできる圧倒的な節約術に生かされたタカオはまた生きることにした。

マキコの場合 満足と間食費

番外編、女子の大好きなパンケーキ。マキコはこの食べ物が美味しいことは分かるが、ゴハンなのかお菓子なのかどちらとももつかない存在にためらう。なぜなら、ごはんなら量が少なすぎるし、お菓子なら値段が高すぎる。
どうにかして自分で作れないか豆腐のパンケーキを作った。

この作品が気になる方にはこちらもおすすめ

よく考えると、おすすめすることで購入することは節約ロックでないかもしれない。。

あの音を聴くために今回はあえて紹介を控えることをおすすめとさせて頂きます。なんてね。

 

 

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【おすすめ映画】 サイタマノラッパー 大概の人のリアルな負け方。それは大切なことを教えてくれる。

 

あらすじ 冴えないラッパーの冴えない日常

埼玉のラップグループ「ショウグン」のイックとトムとマイティは初ライブに向けて活動中、メンバーのひとりからライブが決まったと報告を受けたのは役所主催の「若者の声を聞こう」という会だった。。

当日集まったのはこの3人だけのなか、冷めた目で見る役所の方々に向けて渾身のライムを披露。

仕事もロクにしていない彼らの中途半端な活動に、現実の厳しさをこれでもか突きつける社会。

それでもラップへの気持ちを胸にラップを続けていく。

【予告編はこちら】

【 アマゾンビデオはこちら】

感想 負けっぷりが共感できるリアリティ

イックは太めのラッパー。

高校時代の同級生に偶然出会い、お前がラッパー?ウケるなんて言われるような冴えない高校時代を過ごした彼のラッパー姿は画面上からもカッコよくは見えない。

昼過ぎまで寝て、何をするでもなく、ラップを口ずさみながら街に出る。

何をするでもなく、コンビニの駐車場でおでんを食べている。

すると電話が鳴り、おでんを置いて話し込む。そこにガラの悪いグループの車が駐車場に、おでんを踏みつけてしまう。

イックは悪絡みされて、ボコボコにされる。

そんな一連をイックは武勇伝のようにトムに話す。

トムは歩道橋から下を走るトラックにエアガンを打って楽しむような奴。

少し痛い彼らもラップが大好きでいつか自分のグループでデビューする日を夢見る。

けれど、他のメンバーは彼らがグループにいることはネタだと言い置いて、東京に上京してしまう。

後輩のマイティは彼らを慕うも、他のメンバーの方が可能性があると、一緒に上京する。

残された2人、イックは居酒屋でバイトを始める。

トムはガードマンの仕事を始める。

残された2人はもうラップは諦めたのか。

偶然イックのバイト先の居酒屋で、トムが会社の人達と来店する。まだ諦めてねぇぞ、とイックは突然フリースタイルをイックにぶつける。

 

あらすじをほぼ書いてしまいましたが、どうしようもない冴えなさっぷりと痛さが共感出来てなかなか直視できませんでした。

負けに負ける彼らの姿が、自分にも同じように負けた経験と重なるからです。

ただ最後に見せられたフリースタイルラップは、それまでの負けっぷりの全てがラップに込められて直視せざるえないシーンでした。

物語の始めこそファッションのように軽く薄かった彼らのラップ。

ラストに掛け合うフリースタイルラップには、彼らのパッションが聴こえ胸に刺さってきます。

彼らの負けはラップとして表現され、負けていれば負けているほど、これまでの様々なシーンを思い浮かべ、さらに刺さってきます。

これまでの負けっぷりは全てこの最後のシーンのフリでもあったのかのように思え、作品や表現は背景を知っていれば知っているほど深く刺さるものだなと思いました。

人生のうち負けることは多くあり、いかに負けるか。負けた後にどう起き上がるか。それを痛々しくも教えてくれる作品でした。

どんな人におすすめか

冴えない人
痛い人
負けっぷりに自信がある人
そんな人達を寒い痛いと一言で片付けてしまう人

次はこの作品はどうでしょう

【キッズ・リターン】
北野武監督作品

若者2人のそれぞれの挑戦。不甲斐なく情けなくどうしようもない負けっぷり。それでも「まだ始まってねぇ」とうそぶく背中がなぜか勇気を湧かせてくれます。

【MROHA】
ラップとギターの二人組。ポエトリー・リーディングとヒップホップの語り口がアルペジオのギターと重なるシンプルだけでも言葉が刺さる表現。歌詞はおそらく自身の胸の内。自身の不甲斐なさと周りへの感謝が溢れる音楽。

【おすすめ短編 映画 】セロ弾きのゴーシュ 宮沢賢治原作 高畑勲監督

あらすじ チェロ弾き青年が音楽家になっていく

楽団でチェロを弾くゴーシュ。技術やリズム、自信のなさからダメ出しを受ける日々。悔しさと怒りを抱え家で練習していると、猫がやってきた。不躾にあの曲を弾けと言われ、ゴーシュは猫が嫌がりそうな不協和音満載の曲を弾く。次の日はカッコーがやってきて、次の日狸が、また次の日はネズミが弾いてくれとやってきた。

感想 真夜中に動物達がやってくるシーンがワクワクします

ジブリと言えば宮崎駿ともう1人、高畑勲です。彼の代表作は多数あり、いくつか観ていましたが、この作品は宮沢賢治の原作が映画化され、しかも高畑勲が監督であり、TSUTAYAのジブリの棚で妙に光って見えたので借りました。

冒頭ゴーシュが楽長にダメ出しされるシーンから静かに少し暗いトーンで始まります。

このまま続いたら見てられるかなとほんの少し心配しましたが、真夜中に猫がやってくるシーンから物語が加速していくというのか、音楽でいう転調していく感じがして次々と、動物がきてゴーシュの表情や音楽が変化していく過程が楽しく見られました。

動物達が教えてくれた音楽

ゴーシュが動物達の無茶振りに応える音楽はゴーシュをより音楽家にします。

猫からは自分が想う素直な感情を表現すること、
カッコーからは一音一音単調であれ弾き続けること、
狸には自分が持つリズムの特徴を、
鼠には音を響かせることを

動物たちそれぞれと交わした音楽が、最後のシーンである、楽団の演奏会でゴーシュの音楽は一つになり結実します。

楽団の演奏会は成功を収め、鳴り止まないアンコールの歓声に楽長はゴーシュをソロで弾かせることにします。

ゴーシュは以前ダメ出しを受けた延長の嫌がらせかと腹を立てながら、

「いっそこの会を壊してやる」という怒りの想いを、

あの猫に弾いた楽曲とともに観客にぶつけます。

ゴーシュの弾く音楽はゴーシュの内面に溢れ出る怒りが音になり、喚き叫び悲鳴をあげるように鳴り響きます。

演奏が終わり、静まる観客を目の前にし、素に戻るゴーシュ。

その沈黙をかき消すように、観客の拍手喝采が会場に広がります。

楽長はじめ楽団のみんなが褒め称えるなか、ゴーシュは自分が以前よりも音楽を奏でられていることに気づきます。

真夜中に訪れてきあの動物達に、感謝にも似た感情を最後に物語は締めくくられます。

音楽は技術だけではない「何か」がより一層音楽を音楽にする不思議なものであること。

それを言葉にするでもなく、全身で奏でることで身につけていく。

この物語は、時間を芸術にしていく「音楽」を愛した青年が音楽家になっていく過程という「時間」が芸術に昇華された物語です。

カッコーが言った言葉が印象的

最後に、カッコーが言った言葉が印象的でしたので紹介します。

カッコーと鳴き続ける彼らにも音楽があり、いかに鳴き続けるかが大切だそうで、カッコーという単調のメロディを弾くことをすぐやめてしまうゴーシュに対し、

なぜやめたんですか。
意気地のないやつでも喉から血が出るまで鳴き続ける。
なぜやめたんですか。

カッコーと鳴くだけだろと軽んじるゴーシュを、真っ直ぐな目でこう返すカッコー。

ゴーシュの足りない何かに気付かせる言葉に聞こえました。

物語の最後、ゴーシュと、彼の歩く頭上の空を次の場所へ飛んでいくカッコーの姿が重なるシーンと合わせて印象的でした。

こんな人におすすめ

音楽を愛するひと
動物を愛するひと(特にたぬき)
自分の大好きなことに自信が少し持てない人
自分の大好きなことに対し、続けることをためらっている人

次はこの作品はどうでしょう

【平成狸合戦ぽんぽこ】

セロ弾きのゴーシュに出てくる狸がとても可愛く、高畑勲さんが描く狸の魅力を存分に楽しめるぽんぽこは、すでに見ている方も多くいるでしょうがおすすめです。

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【Kindleおすすめ漫画】ブルーピリオド  好きなことをする努力家最強説

あらすじ 美大受験のスポ根漫画

遊びも勉強も卒なくこなす高校2年生の矢口は、それなりの大学に進学し堅実な企業に就職するだろうと将来に達観していた。しかし、ある日美術の授業の課題制作が褒められ、絵を描くことで人と繋がった気がし、生きていると実感したことから日本唯一の国立美大、東京藝大を目指すことにした。絵を描き始めたばかりの天才でもないただの人が倍率60倍の受験に挑む。

by moai

感想 スポ根の爽快感と美術を愛する人々の世界観に没入できます

一言で説明するなら美術のスポ根漫画と言ってしまうかもしれません。

美術という一見天才肌しかいないような世界のなか、素養もない素人が飛び込んだらどうなるか。

やっぱり努力することでたくましく成長していくその成長っぷりがスポーツ漫画を読んでるような爽快感がありました。

加えて、先の天才が数多くいる世界に対し、天才と凡人の葛藤が美術の世界ならではの描かれ方でスポ根ではありますがスポ根だけではない漫画です。

それは例えば、美術好きな人間の独特なキャラクターが色濃くこの漫画にも描かれ登場人物の個性が際立っています。

矢口が入部した美術部には男性なのに女装しているキャラや一見男性に見える女性?がいたりと、美の世界に多くいる中性的な人物が普通にいる感じも美術の世界を映し出してくれています。

by moai

美術を論理的に解説してくれ審美眼すら養われる

この漫画は読む前と読んだあとで大きな違いは、美術が少し身近になっていることでした。

例えば、美術でよくあるデッサン。

これは対象を忠実に描くことで、形、空間、質感、を把握し観察力と技術力をあげる修練法であることという解説をしてくれます。

また、絵に立体感を見せるための遠近法などの手法の解説や影の作り方で立体的に見せることができる「らしさ」の作り方なども説明されています。

この説明が、美術は感覚だけでなく論理的なアプローチでも上手くなれることがを教えてくれますし、もしかしたら自分もある程度は上手くなれるかもしれない気さえ思わせてくれます。

それと作中に出てくる絵にはそれぞれ上手下手や個性があり、講評するシーンはそれぞれの絵の解説により審美眼が養われていく気さえします。

スポ根漫画に論理的な成長方法が加えられており、幼い頃に読んでいたものよりも確実にタメになるスポ根漫画ではないかと驚きました。

いまこれを読める少年少女の美への伸びしろが勝手に楽しみにもなってくるほど論理的でためになりました。

さて、この作中の絵で面白い試みだなと思った点があります。

それは登場人物が描いた絵は実際に現実に美術に触れている方々が描いており、それを貸してもらい作中に使っている点です。脚注に誰誰と名前が明記されており、あとがきに貸してくれたことへの感謝文が添えられており、別の視点からも絵を楽しむことができます。

今後の天才と凡人の切磋琢磨が楽しみ

一巻から天才がどんどん出てきますが今後もどんな天才が出てくるか楽しみです。

スポ根漫画は主人公の努力からの成長記録が一番の醍醐味ですが、彼を取り巻く周囲の圧倒的な天才と個性の存在もこの漫画には楽しみにしたい一つの見どころです。

作中に出てきた熱い言葉

作中に出てくる人物は天才もいれば凡人もいます。どちらにも言えることはそれぞれ真剣に切実に生きているという点です。

そんなキャラクターが発する言葉はどれも強く刺さってくるので、一部ご紹介します。

美術は文字じゃない言語だから

絵を描いてそれが人に伝わって
初めて人と話せた気がした

才能なんかないよ
絵のこと考えてる時間が他の人より多いだけ

好きなことは趣味でいい
これは大人の発想だと思いますよ
誰に教わったのか知りませんが
頑張れない子は
好きなことがない子でしたよ
好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか?

好きなことをする努力家はね
最強なんですよ!

藝大一択
はぁっ
やべぇな
心臓ドクドクいってる
でも今までずっと生きてる
実感が持てなかった
あの青い絵を描くまでは
俺の心臓は

動き出したみたいだ

絵を描くようになって
見えてたはずの景色が今までよりはっきりと見えるようになった
知ってるはずなのに
今まで何も知らなかったような
気さえした

本で読んでも
わからないから面白いんだ
理論は完成の後ろにできる道だ

多分コイツは天才だ
そして俺はやっぱりただの人だ
特別じゃない
天才にはなれない
やった分しか上手くならない
だったら
天才と見分けがつかなくなるまで
やればいい
それだけだ

この次におすすめする本・作品など

音楽のスポ根漫画
「ブルージャイアント」

ブルーつながりではないですが、ブルーピリオドと同じようにスポ根漫画を音楽で表現しかつ、奏でる音が聴こえ知らないうちに胸が高鳴る漫画です。

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【おすすめ映画】 ジブリ 夢と狂気の王国  ジブリという才能の怖さが覗ける映画

https://youtu.be/VikVW3NCQyU

あらすじ 風立ちぬの制作期間のジブリを密着

映画「風立ちぬ」の制作期間から完成までのジブリの内側を撮影したドキュメンタリー。宮崎駿やプロデューサー鈴木敏夫などを中心にジブリとは何か、ものづくりとは?それを維持させるビジネスとは何かが垣間見ることができます。

感想 ジブリは夢のような場所であり狂気めいた場所でもある

タイトルでもある通り、ジブリは夢を具現化し作品にする夢のような場所であり、少し言い方に語弊もありますが、その夢に駆られてしまった人々の狂気めいた場所である。というのが鑑賞後の感想でした。

ジブリでは、宮崎駿氏の圧倒的な才能とその才能を具現化してくれるアニメーターという光景が日常です。

しかし、その才能自体は非日常的な存在でもあり、それを日常にしていく過程は感動もあれば辛苦も色々あります。

例えば、

宮崎駿氏は脚本を書かず、絵コンテを作ります。それも製作中にまだ結末は描けておらず、絵コンテを描き続けるのと同時に作品は作られていきます。

結末も一度では決まらず、最後の最後にあの結末に変更されたことが伺え、それは氏の内側にある葛藤や迷いからの決断があったことが見られます。

また絵コンテを全て描き終わると、アニメーターの方々が一気に形にしていく様子を宮崎駿氏が見て「みんな終わらせに言ってるな」と頼もしさと寂しさがないまぜになった言葉を発したことからも非日常が日常になっていくことへの寂しさというか、夢を作っているのに夢が終わっていくような言葉として聞こえました。

もうひとつ。

ものづくりはその作品が売れなければ次の作品を作ることが出来ません。

ビジネスとしての利益は最低条件でもあり、命題です。いかに売るか。

宮崎駿の才能が結晶化されたものを多くの人に届けるという側面をプロデューサーである鈴木敏夫氏が中心に担います。

作品の制作納期の調整やグッズの販売状況、新作グッズの開発。売るという行為により数字を作ることが求められるシーンは組織を続けることの緊張感が伝わってきます。

夢であり続けるジブリ

ジブリと言えば宮崎駿と誰もが声にすると思いますが、ジブリの成り立ちにおいて欠かせない存在はあと2人、プロデューサーの鈴木敏夫氏と高畑勲氏です。

この2人の存在があってこそのいまの宮崎駿でありジブリが出来上がっていきました。

そしてもうひとつ欠かせない存在は、彼らの夢を作品化していくアニメーターの方々です。

映画ではアニメーターの方々が映る時間は少ないかもしれませんが、スタジオの奥に座る宮崎駿氏の席に行くまでに多くのアニメーターが黙々と作品を作っており、彼らの存在なくして作品が形になることはないのだということがひしひしと伝わってきます。

作成時の打ち合わせや、完成後の祝福など、みんなで作品を囲むシーンに多くの方の力で一つの作品が出来ているのだと実感できます。

夢はつまり狂気でもある

夢を具現化することはそれ相応の労力が必要ですし力量が常に試されます。

それは傍目から見れば狂気すら感じさせる光景であり、そんな狂気のさなかにいる人々の辛苦はジブリにももちろんあります。

全クリエイターが抱える矛盾

「風立ちぬ」の題材は、飛行機設計を仕事にする男の空への憧れと戦争の時代に飛行機を作ることの「矛盾」が描かれています。

自分の大好きなものが人を殺める存在でもある。

ただ良いものを作りたい気持ちと、それを作ることは誰かを傷つけることが共存しているその「矛盾性」に作り手は苦しめられます。

宮崎駿氏はこの「矛盾」は、その時代の主人公だけが抱える「矛盾」ではなく、全クリエイターが抱える「矛盾」だとも劇中に語っています。

自身も飛行機が好きで、いくつも作品として描いてきたアニメ自身にも誰かを傷つける可能性を含んでいる矛盾があると。

ブラックなユーモアを効かせる彼の言葉を借りるなら

「アニメーターは呪われている」

と夢を描いた瞬間に狂気の呪縛から解かれることはないと語りながらも作品を作り1日の終わりを迎えます。東京は武蔵野に広がる夕焼けを見ながら、そんな一日を終えていく彼の後ろ姿に、偉大な作り手としての憧れと同時に才能という狂気を抱えた寂しさが映っていた気がしました。

宮崎駿の世界を作る人々

宮崎駿の夢は多くの方を引き寄せますが、同時に去っていく人もいます。

「求められるレベルの高さに身も心も疲弊してい夢の場所から去ることを選ぶ人もいる」

とアニメーターのスタッフさんが話しているシーンはジブリにも日常はあるのだと感じさせます。

息子 宮崎吾朗について

宮崎駿氏には同じように監督として「ゲド戦記や」「コクリコ坂」を作った息子の宮崎吾朗氏がいます。

彼の制作の様子も撮影されており、ある打ち合わせのシーンに制作が難航している様子が伺えます。

吾朗氏の語り口はある意味ジブリの狂気の一端を思わせる部分として個人的には見ていました。

その様子は、少し目も潤んでおり、心内にある想いを言葉にしているようでもありますが、「個人」として言葉にできない葛藤を精一杯なんとか「仕事人」として語っているように見え、これ以上誰かがひとつ不用意な発言をしたら全てが崩れそうな緊張感すらありました。

そんな張り詰めた空気のなか、最後に担当プロデューサーと吾朗氏の話し合いを見かねた鈴木敏夫氏が

「悪いのは全部おれだ」

と責任を全て請け負う言葉には、

その場をしのぐでも本心を取り繕うでもなく、過去から現在までのジブリの狂気に対する言葉とも取れました。

恐ろしいほどの才能をビジネスにして経済活動をまわすことの異常さを鈴木敏夫氏は自覚しつつ、それでもまた明日という日常を迎える。これはこれで狂気だよなと感じました。

 

監督 砂田麻美について

これを映画にした監督の砂田麻美氏しいてはそれを許可したジブリも含め、モノづくりに対する真摯な姿勢やある種の畏敬のようなものがあってこそ、ここまで映すことができたのかなと思いました。

砂田麻美氏は過去の作品に「エンディングノート」という実父の最期の時間を切り取った映画があります。

人間が真剣に生きている姿は映画そのものだなと思わせる力量と被写体のありのままを映す視線が当作品同様、監督の特徴です。

次の映画・作品など

【砂田麻美監督作品】
「エンディングノート」 実父の最期の時間を切り取った映画

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