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あらすじ 美大受験のスポ根漫画
遊びも勉強も卒なくこなす高校2年生の矢口は、それなりの大学に進学し堅実な企業に就職するだろうと将来に達観していた。しかし、ある日美術の授業の課題制作が褒められ、絵を描くことで人と繋がった気がし、生きていると実感したことから日本唯一の国立美大、東京藝大を目指すことにした。絵を描き始めたばかりの天才でもないただの人が倍率60倍の受験に挑む。
感想 スポ根の爽快感と美術を愛する人々の世界観に没入できます
一言で説明するなら美術のスポ根漫画と言ってしまうかもしれません。
美術という一見天才肌しかいないような世界のなか、素養もない素人が飛び込んだらどうなるか。
やっぱり努力することでたくましく成長していくその成長っぷりがスポーツ漫画を読んでるような爽快感がありました。
加えて、先の天才が数多くいる世界に対し、天才と凡人の葛藤が美術の世界ならではの描かれ方でスポ根ではありますがスポ根だけではない漫画です。
それは例えば、美術好きな人間の独特なキャラクターが色濃くこの漫画にも描かれ登場人物の個性が際立っています。
矢口が入部した美術部には男性なのに女装しているキャラや一見男性に見える女性?がいたりと、美の世界に多くいる中性的な人物が普通にいる感じも美術の世界を映し出してくれています。
美術を論理的に解説してくれ審美眼すら養われる
この漫画は読む前と読んだあとで大きな違いは、美術が少し身近になっていることでした。
例えば、美術でよくあるデッサン。
これは対象を忠実に描くことで、形、空間、質感、を把握し観察力と技術力をあげる修練法であることという解説をしてくれます。
また、絵に立体感を見せるための遠近法などの手法の解説や影の作り方で立体的に見せることができる「らしさ」の作り方なども説明されています。
この説明が、美術は感覚だけでなく論理的なアプローチでも上手くなれることがを教えてくれますし、もしかしたら自分もある程度は上手くなれるかもしれない気さえ思わせてくれます。
それと作中に出てくる絵にはそれぞれ上手下手や個性があり、講評するシーンはそれぞれの絵の解説により審美眼が養われていく気さえします。
スポ根漫画に論理的な成長方法が加えられており、幼い頃に読んでいたものよりも確実にタメになるスポ根漫画ではないかと驚きました。
いまこれを読める少年少女の美への伸びしろが勝手に楽しみにもなってくるほど論理的でためになりました。
さて、この作中の絵で面白い試みだなと思った点があります。
それは登場人物が描いた絵は実際に現実に美術に触れている方々が描いており、それを貸してもらい作中に使っている点です。脚注に誰誰と名前が明記されており、あとがきに貸してくれたことへの感謝文が添えられており、別の視点からも絵を楽しむことができます。
今後の天才と凡人の切磋琢磨が楽しみ
一巻から天才がどんどん出てきますが今後もどんな天才が出てくるか楽しみです。
スポ根漫画は主人公の努力からの成長記録が一番の醍醐味ですが、彼を取り巻く周囲の圧倒的な天才と個性の存在もこの漫画には楽しみにしたい一つの見どころです。
作中に出てきた熱い言葉
作中に出てくる人物は天才もいれば凡人もいます。どちらにも言えることはそれぞれ真剣に切実に生きているという点です。
そんなキャラクターが発する言葉はどれも強く刺さってくるので、一部ご紹介します。
美術は文字じゃない言語だから
絵を描いてそれが人に伝わって
初めて人と話せた気がした才能なんかないよ
絵のこと考えてる時間が他の人より多いだけ好きなことは趣味でいい
これは大人の発想だと思いますよ
誰に教わったのか知りませんが
頑張れない子は
好きなことがない子でしたよ
好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか?好きなことをする努力家はね
最強なんですよ!藝大一択
はぁっ
やべぇな
心臓ドクドクいってる
でも今までずっと生きてる
実感が持てなかった
あの青い絵を描くまでは
俺の心臓は
今
動き出したみたいだ絵を描くようになって
見えてたはずの景色が今までよりはっきりと見えるようになった
知ってるはずなのに
今まで何も知らなかったような
気さえした本で読んでも
わからないから面白いんだ
理論は完成の後ろにできる道だ多分コイツは天才だ
そして俺はやっぱりただの人だ
特別じゃない
天才にはなれない
やった分しか上手くならない
だったら
天才と見分けがつかなくなるまで
やればいい
それだけだ
この次におすすめする本・作品など
音楽のスポ根漫画
「ブルージャイアント」
ブルーつながりではないですが、ブルーピリオドと同じようにスポ根漫画を音楽で表現しかつ、奏でる音が聴こえ知らないうちに胸が高鳴る漫画です。
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