【情熱大陸】”フラメンコダンサー・SIROCO”の要約文字起こしと名言

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概要

フラメンコの本場、スペインで毎年開かれる5大コンクールの一つ“Aniya la Gitana de Ronda”で去年、史上初めて日本人男性が優勝した。

彼の名はスペイン語で“熱風”を意味するSIROCO(シロコ)。

フラメンコはスペインにおける少数民族ヒターノの歴史や文化に深く根差した舞踏音楽なだけに、日本人ダンサーにはいくら技量が高くても表現力の面で超えられない「壁」があるとされてきた。
だが20歳で単身スペインに渡り、“現代フラメンコの皇帝”と称されるファルキート氏のもとで修行を続けたSIROCOの踊りはその常識を覆し、ずば抜けた即興センスと艶めかしく情熱的な踊りで現地のファンを魅了し、大きな話題を呼んだ。

フラメンコ界の寵児となり現地で喝采を浴びるSIROCOの素顔に迫る。公式サイト

番組では、国際コンクール優勝から1年経った今年の6月15日、同じアンダルシア地方のロンダで行われる優勝凱旋公演に挑戦するSIROCOに密着。本場スペインでは異例の日本人の踊り手による単独公演。目の肥えた地元の観客を前に、今回は“現代フラメンコの貴公子”とされ、ラップ・ファンクも得意とするファン・デ・ファンをゲストに呼び、即興で競演する。
また、かつてSIROCOがスペインで武者修行時代、生活費を切り詰めるために暮らしていたというサクロモンテの丘の「洞穴」も訪れる。グラナダのアルハンブラ宮殿近くにあり、迫害を受けたヒターノが隠れ住んだ洞穴は、フラメンコが生まれたとも言われる場所だ。世界遺産にも登録されているこの地で、若き青年は果たしてどんな生活をしていたのだろうか。

プロフィール

1982年京都生まれ。中学生の頃ダンスに出会い、当時はストリートダンスに夢中になる。
19歳の頃、映画『フラメンコ』でフラメンコダンサーのホアキン・コルテスのダンスに衝撃を受け、単身スペインへ。現地で武者修行を続ける中でフラメンコ界の”皇帝”ファルキートや、“貴公子”ファン・デ・ファンらトップダンサーと出会い多くを学ぶ。2011年 日本フラメンコ協会 新人公演にて奨励賞を受賞。その後、国際的フラメンコギタリスト 沖仁との出会いから本場スペインでの挑戦を目指すようになり、2017年現地の国際コンクール『第23回アニージャ・ラ・ヒターナ・デ・ロンダ』にて日本人男性舞踊手として初優勝を果たす。現在は京都・大阪を中心にフラメンコスタジオを運営。公式サイト

【要約文字起こし】

切りつけるような靴音が答えた。

フラメンコダンサー siroco

その名はスペイン語で熱風を意味している。

観客のまなざしを独り占めして、テンポは加速し、白熱している。

ほとばしる情念は見るものの心を揺さぶらずにはおかない。

2017年、本場スペインで開かれた国際コンクールで踊りの名手を抑え、日本人男性として初めて優勝を勝ち取った。

フラメンコに出会って11年。頂点を極めた男はさらに高みを目指し続ける。

凱旋ツアーの一環でSIROCOは東京、西日暮里に行ってきた。ギタリストも歌い手も現地から呼び寄せている。フラメンコのショーで知られるスペインレストランが会場。踊りとギター、それに歌と手拍子がフラメンコの基本。

SIROCOは京都で暮らしている。今36歳、2年前に娘を授かった。
地下にレッスンスタジオがる2階のお住まいは2 LDK。京都の他に大阪にもスタジオを構え、妻と共にフラメンコ教室を主催している。

「いちレッスンでいくらみたいな給料でやってる。地味に暮らしいます。」

個人レッスン生徒のほとんどは女性で、男性は2人だそうだ。

レッスンは技術もさることながら重きを置いているのは美しさ。

「戦士のような忠誠心みたいなのがあって、フラメンコに全て捧げている。それはもう誰よりも強くかっこいいもんだから。」

踊りのフリひとつひとつ、綺麗なポジションを探して、上達には練習しかない。

SIROCO自身、毎日8時間ステップを踏み続けた時期がある。

「同じことを飽きずに何度も何度もやる。フラメンコは反復の人生です。」

SIROCOにはスペイン公演が控えていた。

自分を認めてくれた本場の人々に、さらなる進化を見てもらいたい。そのためにもレッスンの隙間をぬって踊りに磨きをかける必要がある。スペイン人の歌い手に声をかけ本番さながらのトレーニングを重ねる。トレーニング後は、足に湿布を貼る。足の痛みは職業病と言っていい。コンディションをベストに持ち込むための調整は日本を発つ間際まで続いた 。

1982年、京都で呉服を扱う商家にSIROCOは生まれる。

19歳でフラメンコのドキュメンタリー映画に出会い、強い衝撃を受けた。その1年後には単身スペインに。

スペインのその頃に暮らしていた家に案内してくれた。切り立った山の斜面にささやかな集落がある。SIROCOは初め、迫害を逃れてきた人々が隠れ住んだという洞窟で生活していたそうだ。

あえてそんな過酷な環境を選んだのは、生活費を切り詰めるためだけではない。フラメンコの成り立ちを身をもって知る。そんな覚悟もあったはずだ。

「お風呂は洗濯は川です。どこかで壊れた鏡を拾って、練習してました。」

スペインでの公演を前に、師匠を訪ねて新しいステップを教わることになった。

師匠いわく、SIROCOは、すべてを吸収しようとする姿勢は当時から際立っていたそうだ。いつも尊敬と愛情を持ってフラメンコに接するSIROCOを振り返る。

それでもSIROCOは現地の人々と、日本人の差を語る。

「僕達みたいに二十歳から勉強しだしてスクールに通って鏡で勉強した人間と、フラメンコが文化として根付いている人々では違います。」

公演当日、自分を奮い立たせるためか着物で会場に向かった。目の肥えた地元のフラメンコファンが集まってきた。彼らを失望させるわけにはいかない文字通り檜舞台、珍しく緊張していた。会場には日本人のダンサーがどれほどのものか見極めに来た客もいる。

公演終盤、最大の見せ場に差し掛かる。フラメンコの貴公子と呼ばれるフファン・デ・ファンとの即興だった。

息の合ったステージに喝采が降り注ぐ。また一つSIROCOはかけがえのない思い出を手に入れた。

冷めやらぬ興奮の中で、SIROCOの少年のような瞳が新たな地平を見ている。

 

 

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