きょう、 生まれたひとの言葉

【情熱大陸】山小屋主人・伊藤圭の要約文字起こしと仕事・名言

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概要【情熱大陸】山小屋主人・伊藤圭

紺碧の空、手をのばせば届く雲。3000m級の峰々から吹く風が花の上を駆け抜け、夜は星がこぼれ落ちる。そんな絶景の中にある登山ファン憧れの山小屋が「三俣山荘」だ。
主人の伊藤圭は柔和で物静かな41歳だ。山小屋主人と聞いて熊のような男を想像するとそのギャップに驚くだろう。しかし、伊藤が経営するこの山小屋は日本でも指折りの過酷な地にある。黒部源流の稜線上、鷲羽岳と三俣蓮華岳の鞍部に位置し、登山口からは片道丸二日かかる。携帯は通じない。電気もガスも、水道もない。標高2550mの高地にあり、陸の孤島とも言えるこの山小屋で伊藤は妻と幼い子どもたちとともに暮らし、登山客をもてなす。水道がなくてもサイフォンを使ったこだわりのコーヒーを淹れ、ジビエシチューを振る舞う伊藤。一体どんな工夫があるのだろうか?
かつて父が建てたこの山小屋を守り、日々登山道の補修や、自作の道標制作などに明け暮れる伊藤を、山で知り合った妻と幼い子どもたちが懸命に助ける。子どもたちは過酷な環境をものともせず、標高2550mの天空の庭を竹馬で駆けまわって遊ぶ。
まもなく本格的なシーズンを迎える山小屋。最盛期には一晩で200人を超える登山客が泊まることもあるという。今年も無事に登山客を迎えることができるのか。伊藤と家族の夏を追った。公式サイト

山小屋主人・伊藤圭のプロフィール

1977年東京生まれ。父は、山岳文学ファンの間で有名な『黒部の山賊』の著者・伊藤正一。戦後、父が私財を投じて登山口から山小屋までを繋ぐルートを切り拓き、1962年に三俣山荘が完成。伊藤は父に連れられ1歳から毎年山へ入る。都内の高校を卒業後、バンド活動などに夢中になり山から遠ざかった時期もあったが、2002年に結婚し山小屋一本で働き始める。現在、三俣山荘と水晶小屋の二つの山小屋を経営する。二児の父。お酒が好きな41歳。

登山者を守り、山を守り、家族を守る男、三俣山荘の主、伊藤圭

6月の終わり、山にまだ雪があった。標高3000 M 級の山々を擁するは北アルプスに、ヘリが一件の山小屋に着陸した。待っていた男は伊藤圭41歳。三俣山荘の主だ。雄大な眺望が山荘のリピーターは数え切れない。

「日本最後の秘境」とまで登山者に言わしめるほどの絶景が山小屋を囲む。しかし、ひとたび天候が荒れると世界は一変する。

「遭難者が出たら助ける。自分が助かってるから」

登山者を守り、山を守り、家族を守る男がここにいる。

広大な北アルプスの最深部。住所で言えば富山県に位置する三俣山荘ではどの登山口からもおよそ2日かかる。

遥かなる山の中に槍ヶ岳が美しい。山小屋はその名の由来となった三俣蓮華岳の麓に位置している。夏のオープンを翌日に控えて、これからの4ヶ月間を数人のアルバイトと共に過ごす。まずは全員総出で小屋開けに取り掛かった。全ての窓に打ち付けて行った板を一つ一つ外していく。

小屋の中は、周囲の空気が澄み切っているため、埃はほとんどない。それでもお客様の布団は一度干さなければならない。食料や燃料などは全て空輸ヘリが何度か往復してくれる。届いた荷物は子供も総出で黙々と荷物運びをおこなう。

小屋はもっぱら無線。伊藤は最も重要なのは作業にかかる生活水の確保だ。

湧き水から引っ張ったロープパイプを小屋につなげる。水は途中で止まってしまっていた。使わないあいだ空気が溜まりやすく、人の手でロープパイプ揺らして空気を抜く。

世の中で当然のことがここではありがたい。山小屋の暮らしはまさに自然の恵みに支えられていた。

着々とお客を受け入れる体制が整って行く。山小屋の定員は80人。一夜の宿に贅沢はない。いや、ここに泊まること自体が最高の贅沢なのだ。

山小屋を営む者の使命

7月1日山小屋オープン早くも登山者がやってきた。

今年初めてのお客さん。今年は出だしも好調だ。

カウンターには9歳になる長男こうやくんが立っていた。妹のかやちゃん6歳。厨房を預かる縁の下の力持ちな妻敦子さん。今年も下界と隔絶された伊藤たちの夏が幕を開けた。7月も半ばを過ぎると山荘は一段と賑わい始める。

山小屋では、地元のシカ肉と野菜などを煮込んだカレーは評判の一皿。さらに雪解け水で入れるサイフォンコーヒーも楽しめる。

夜明け前に目覚めれば刻々と変わる空の色を堪能できる。

伊藤はこの日、三俣蓮華岳の登山道を辿った。途中足元に雪解け水が走っているところには水路を掘ってやる。

「登山道から水を逃がしてやらないと、水が流れるとすぐえぐれて植物が生えない状態になっちゃう。そういうところは直す。」自然にすることが山小屋を営む者の使命。伊藤はそう考えていた。

事故で、図らずも山小屋への使命感が増した。

4ヶ月の間家族はよほどのことがない限り街に降りない。学校も子供たちに特例を認めていた。ただしそのぶん宿題はたっぷりだ。

伊藤にも子供達と同じ日々があった。

1977年、三県の山小屋を経営する父の元に生まれる。物心つく前から夏は山で過ごした。小屋で働いていたあつこさんと結ばれたのは25歳の時、その年の冬、将来を決定づける悲劇に遭遇する。

山小屋改築の下見を終え、職人などと乗り込んだヘリが墜落、二人が命を落とした。肋骨骨折などの大けがを負った伊藤は妻と二人、雪の中を這って山小屋に避難、一命を取り留めた。

「ー20度とかあったから外だったら死んでたわけだから、その山小屋で助かったのは図らずも使命感みたいなものがより増しました。山小屋を営むことはもう逃げ切れない、やるしかないと思った象徴的な事故って言うか出来事でしたね。」

いろんな人に来続けてもらいたい

こうや君を連れて、改装中だという別の山小屋を目指した。およそ3時間の道のりだ。足を止めたのは水面に青空を映す。

目的地までは400 M 近く登らなければならない。

到着したのはヘリの墜落事故直後、伊藤が逃げ込み、命拾いした小屋だった。

実はこの水晶小屋も伊藤が父親から受け継いだもの。尾根の高みに立つ小屋は湧き水に頼れない。この時期、登山者が少しでも快適に過ごせるよう改装に取り組んでいた。

生活用水は雨水。下水処理のいらないトイレを導入するなど、試行錯誤を続けている。

登山者を守り、山を守り、家族を守る男。飄々としたもの腰の下に覚悟が光る。

「なるべく長い間維持して、いろんな人に来続けてもらいたいと思います」

「今思ってるのも俺たちかもしんないけど、呼び込んでるのも俺たちだから、その分の責任とらなきゃみたいな必死でやっていきます。」

 

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