きょう、 生まれたひとの言葉

【おすすめ短編小説】「終末のフール」伊坂幸太郎 地球最後の3年間の人々の生きる想い

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短編集あらすじ
八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは? 今日を生きることの意味を知る物語。公式

 

「今日という日は残された日々の最初の一日」
チャールズ・E・デデリック 実業家

伊坂幸太郎氏の短編集「終末のフール」の冒頭の言葉。地球の残り時間がわずかになった世界でも、きょう一日を生きる人々に添える言葉があるなら、上記のデリックの言葉がふさわしい。

終末のフール 伊坂幸太郎

by unsplash

終末を前にした家族との和解の短編

あらすじ
あと3年で地球は隕石衝突でなくなる。諦念に似た平穏がつつむ世界に、人々はそれぞれの現在を過ごす。老人は過去に自殺した息子と、家を出た娘との和解ができるか?久しぶりに帰省する娘との時間、亡き息子の思い出が家族を少しだけ前に進める。

籠城のビール 伊坂幸太郎

by unsplash

メディアに家族を壊された兄弟の復讐の短編 

あらすじ
妹が人質事件の被害者になった日から、メディアは彼女を執拗さと曲解や詭弁をばら撒きながら追いかけた。妹は自殺し、母もあとを追ってなくなった。残された兄弟は、3年後に地球がなくなる前にひとり、ワイドショーのMCだった男への復讐を実行する。男とのやりとりから、兄弟は妹と同じように世間に辱め殺すことが復讐ではないと気づく。死ぬことよりも生きることの方がずっと辛い。男と兄弟は約束をする。

冬眠のガール 伊坂幸太郎

by unsplash

残された時間でも目標を持つことの短編 

あらすじ
地球の残り時間はあと3年。両親はなくなった。残された娘は、この残された時間で生きる目標として、3つのことを決めた。
1つ、お父さんとお母さんを恨まない。
2つ、お父さんの本を全部読む。
3つ、死なない。
きょう、2つ目の目標を達成した。数年間、父の書斎の本棚にある本を読み切り、これからすることがなくなった彼女は、恋人を作ること決めた。父の本で読んだ「新しいことを始めるには、3人の人に意見を聞きなさい。尊敬する人、自分では理解できない人、これから出会う新しい人」のことを思い出し、人に会うことにした。彼女の人生の残り僅かな時間のはじめての恋の始まり。

鋼鉄のウール 伊坂幸太郎

by unsplash

格闘家の武田幸三氏がモチーフにもなった今日の生き方についての短編 

残された時間、あなたならどうする?と聞かれ、「昨日と同じように練習をする」と格闘家は答えた。聞いた人の驚きと笑いに、逆に聞き返した。「明日死ぬとしたら生き方が変わるんですか?あなたのいまの生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」そんな対談記事を不意に見つけた青年は格闘家と同じように残されたわずかの人生であるきょうも練習に取り組む。

天体のヨール 伊坂幸太郎

by unsplash

それでも夜空を見つめる短編 

妻を亡くし、この世界も終わりに近づくある日、自身の人生もここで終わりにしようと首をロープにかけたが、失敗した。そのときに走馬灯のような回想が学生時代の天体オタクの友人を思い出した。電話が鳴った相手は、その友人だった。人生を終えるのは彼との再会のあとでもいい。友人は、相変わらずいまでも天体を追いかけている。もうすぐ地球に隕石が衝突するというのに。隕石が衝突する直前はどうする?との質問に友人は、「望遠鏡を覗いている。ひとつ、衝突は夜じゃないと困る」と答えた。その回答に呆れるもひと目、自分も最後に夜空を眺めることにした。

演劇のオール 伊坂幸太郎

by unsplash

彼女の演技は新しい家族をつくった短編

女優の夢を諦めて、仙台に戻った彼女。両親はなくなり、自身と同じように家族のいない人たちの疑似家族を演じながら毎日を生きていた。ある時は孫、ある時は母、姉、そして恋人を演じながら。ある日、「飼い主」として散歩に出た犬が見つけたマフラーをきっかけに、彼女の疑似家族が新しい家族になる。

深海のポール 伊坂幸太郎

by unsplash

最後まで生きると決めた短編 

地球の最後まで残り2年となった。ビデオ屋の店主は、10年も前からのビデオと延滞料金の回収にある家を訪ねた。彼のこれまでの10年と、自身の10年を思い出す。学生の頃に苛められて死にたくなった時に言われた父の言葉「生きろ。これは命令だ。」この歳まで生きて、結婚し、子どもが一人いる。残りわずかな時間ではあるけれども、昔、父に言われた言葉のように、自身にも小さなな子どもに対しても最後まで生きることを決める。

 

 

 

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