【おすすめ漫画】町田くんの世界 「他人に優しくすること」が見せてくれる世界の美しさ【あらすじ感想】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

アナログで不器用、

勉強もできなくて、

運動神経もない町田くん

町田くんが得意と言われることはこれといってない。

それでも町田くんはみんなに好かれ、町田くんもみんなが好き。

なぜだろう。

それは町田くんが、

人がただただ好きで、自分の愛情を他人にも惜しみなく注げるから。

関わった人はみな好意と尊敬を抱く。

優しい人なんてたくさんいるのに、なぜ町田くんなの?

それにはまず、優しさについて考えてみる。

優しさというのは、得意なことや才能と言われることはないかもしれない。

誰かが誰かを紹介する際によく聞く
あの人は優しい人、なんて言われる人はたくさんいる。

優しいという言葉には、手垢がついてしまい、

本来の優しさがないがしろにされることがある。

 

町田くんが見せる愛情や優しさは

強くまっすぐだ。

その優しさは、手垢がとれ、本来の優しさの美しさを見せてくれる。

世界は本当は美しいのだ。そう思わせるほど。

どうしてこうも町田くんが見る世界は美しいのか。

 

本作は、

人類愛というのか愛情に溢れた主人公の町田くんが、

その愛情と優しさを世界に注ぐ。

端的にいうと、

それだけなのだけれど、

それだけでいいと思える。

 

 

町田くんの弟が、最近知らないおじいさんと仲良くなった事を町田くんは知る。

事情を確かめようとおじいさんの家を尋ねると、

どうやら怪しい方でなく、ただただ子供が好きなおじいさんだった。

昔は近所にそんなおじいさんがいたけれども、

最近は、知らない大人と子供が互いにふれ合う機会はなくなっている。

いまは、昭和の時代にあった近所付き合いが減り、

社会で子供を育てるような空気はもはや稀有だ。

そんな現在に、町田くんはこれからも弟や妹がおじいさんと遊べるように、

ひとつの工夫で、互いに現代の空気のなかでも、ふれ合える解決策を見出す。

「君は本当に人の心を掴むのが上手いなぁ」

解決策を見たおじいさんは、一瞬町田くんのことを、

世間の空気に機転を利かせる上手な子だと思ったけれども

すぐに思い直し、

「いや、違うか。君は本当に人が好きなんだね」

と町田くんの発送の機転でなく、

ただ人が好きで何かしてあげたいという動機に感心する。

町田くんが与える愛情や優しさの対象は、親しい人だけに留まらない。

他人に優しい人。

これが手垢が洗い流された優しさの無垢な姿だと思う。

他人とは、見ず知らずの一期一会な人とでもいうのか。

つまり、自分とは関係がないと思ってしまう人。

これはとても個人的な判断基準が多分に含まれるが、

もし、ひとり街中ですれ違ったある人に、

ある対応をするかどうかの逡巡をさせられることがあった時、どう対応するだろうか?

例えば、

自転車をドミノ倒ししてしまった人にどう対応するか?

道が分からなそうな人にどう対応するか?

そもそも対応する必要性を感じるかどうかもある。

あの人は困っている。どうすれば解決できそうか?

問題への気づきと、解決への対策までが想像できるか?

そして、自分がその答えを、

自らの意志で、

自分を知っている人が誰も見ていない状況で

実行できるか?

自分のことを知るひとがいない状況で、

知らないひとに優しくできるか。

そこには、

億劫だったり恥ずかしかったり、

無下にされたり、うまく助けることができなかったり、

実行しないで済ませる瞬間がいくらでもある。

これはつまり自分の優しさが試される瞬間だ。

町田くんが世間で言われる優しさとの違いは、ここにある。

他人にただただ優しくできる。

気後れも恐れも介せず、他人に関わる。

人一倍、ひとの心の傷に気づき、

自分ができることのなかで少しでも癒やそうと試みる。

マザーテレサは、

愛情の反対は無関心である、

といった。

人一倍、他人に関心を持つ町田くんの世界は笑顔があふれる。

どうしてこうも町田くんが見る世界は美しいのか。

他人を含めた多くの人の笑顔の中心に町田くんはいる。

そして、ひとが好きであること。

ひとが好きであれば、ひとが織りなす社会、しいては世界を好きでいられる。

つまり、町田くんの世界は「好き」で占められているのだ。

笑顔と好きで囲まれた相思相愛の世界。

そんな世界が美しくないわけがない。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*

CAPTCHA