【センスは知識からはじまる】で学んだセンスとは?・センスの磨き方【要約感想】(水野学 著)

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センスとは何か?それは知識の集積による判断である。著者はまず対象への「普通」という判断基準を作ること、それには知識が必要である。センスは学習による成果であり、感性だと思っていたセンスについての考え方が変わったことと、センスの磨き方を本著から学びましたので、要約と感想をご紹介します。

公式概要

“センス”とは、特別な人に備わった才能ではない。それは、さまざまな知識を蓄積することにより「物事を最適化する能力」であり、誰もが等しく持っている。今、最も求められているスキルである“センス”を磨くために必要な手法を、話題のクリエイティブディレクターが説く!

クリエイティブディレクター水野学氏について

水野学はクリエイティブディレクターとして多種多様なデザインを手がけています。下記には本著で紹介されたデザイン例です。

THE SHOP
日常に使うモノの「THE○○」と定番をあらゆる視点からセレクトしたショップ

フランダースリネンバッグ
本著で紹介の水野氏が手掛けたブランド。リネンという素材の知識から作り上げたブランド。

 

センスは知識からはじまる【要約感想】

【目次】

Prologue センスは生まれついてのものではない

Part1 センスとは何かを定義する
・センスとは、数値化できない事象を最適化することである
・まず「普通を知ること」が必要である
・子どもは自由に「センス」を発揮している
・美術の授業が「センス」のハードルを高くしている

Part2 「センスのよさ」が、スキルとして求められている時代
・センスのよし悪しが個人と企業の存続に関わる時代
・時代は「次の利休」を求めている
・技術がピークを迎えるとセンスの時代がやってくる
・新しいものが広がるには時間がかかる
・なぜ日本企業の製品にはセンスがないのか
・日本企業に必要なのはクリエイティブディレクター
・「経営者のセンス」が企業の底力になる
・クリエイティブディレクターは企業の医者である
・どんな職種にもセンスが必要不可欠になっている

Part3 「センス」とは 「知識」からはじまる
・すべての仕事において“知らない”は不利
・ひらめきを待たずに知識を蓄える
・イノベーションは、知識と知識の掛け合わせである
・センスとは、知識にもとづく予測である
・客観情報の集積がその人のセンスを決定する

Part4 「センス」で、仕事を最適化する
・「流行っている」=「センスがいい」ではない
・効率よく知識を増やす三つのコツ
・センスをもって選択・決断する
・もし、チョコレートの商品開発者になったのなら?
・知識のクオリティが精度の高いアウトプットをつくり出す
・知識を加えて、消費者のベネフィット(付加価値)とする
・アウトプットの精度をあげてシズル感を最適化する
・知識をセンスで測ってアウトプットを決定する

Part5 「センス」を磨き、仕事力を向上させる
・センスアップはスキルアップにつながる
・企画書は、消費者に知識、物語、価値を知らせる手紙
・「好き」を深堀りしてセンスあるアウトプットをする
・「好き嫌い」ではなく例を挙げてセンスを磨く
・「せまいセンス」でも、それを軸に仕事をすることはできる
・日常の工夫で、思い込みの枠を外す
・書店を五分で一周して気になったものが何かを確認してみる
・「幼児性」で新鮮な感性を取り戻す
・人生の先輩と話してセンスの底上げをする
・「服選び」は自分を客観視し、最適化する身近な方法

Epilogue 「センス」はすでに、あなたの中にある

 

Part1 センスとは何かを定義する 【要約・感想】

水野氏はセンスとは、

「数値化できない事象を最適化することである」と説きます。

これの本質は、センスが数値で計れるものであれば、売れている服がセンスがあるという論理も納得ができるものであるが、実際はそうではない。

つまりセンスは数値化は出来ないけれど、そこには確実に良し悪しがあるものであり、まずは良いか悪いかの「判断基準」である「普通を知ること」と説きます。

そのモノの「普通」が分かれば、普通より良いか、普通より悪いかの判断でまずかなりの精度をあげることができます。

多角的、多面的に物事を計った上で、「普通」を見つけだし、設定する能力が大事だと、氏はセンスを踏み込んで解説しています。

Part2 「センスのよさ」が、スキルとして求められている時代 【要約・感想】

人間は、技術がその時代のある一定の到達点に達すると、美意識の方に関心が行く。と氏は考えています。

それは戦国時代の千利休や、江戸時代の芸術文化の豊穣さだったり、ヨーロッパのルネッサンスや産業革命以後の「アート・アンド・クラフツ運動」など、技術からセンスへの揺り戻しが定期的に起き、時代を変えていくと。

そして現代はアップルが代表的な存在あるように、「センスの時代」が来ていると説きます。

しかし、日本にはセンスのある企業や商品が世界に比べまだまだ少なく、その理由のひとつとしては、市場調査が先行したマーケティング先行の商品開発があるそうです。

市場調査の手法や精度はもちろん否定はできませんが、消費者のインサイトの核心を突くような「iPhone」のような商品の輩出はマーケティングではなくセンスで作られているのだから、日本もセンスを意識していくべきだと説きます。

Part3 「センス」とは 「知識」からはじまる 【要約・感想】

氏は
センスとは知識の集積。
知識とは紙、センスとは絵。知識があればあるほど、自由な絵を描くことができる。
と説きます。

そしてセンスはひらめきのようなものとして扱わず、まず、「誰もが見たことがある当たり前のもの」の知識を集めることから始めるべきだと説きます。

みんなが驚くものは過去の延長線上にあった「ありそうでなかったもの」です。それならまず当たり前のものを知ることから驚きは生まれます。

アウトプットの前段階に、知識を前提とした方向性の決定が大事であり、イノベーションは知識と知識の掛け合わせから生まれます。

そしてセンスとは知識に基づいて予測ができることとし、未来予測の精度は知識量である程度の予測ができることが増えます。

例として、氏は、物件の選定などに都市計画の知識などを加味して、今後の周りの建物の日当たりなどを予測しながら選定したそうです。知識を得る必要性がうかがえます。

このように知識の蓄えと予測の繰り返しでセンスは一層磨かれます。

そして、センスの敵は主観だと説きます。上記の知識という客観的な情報の集積の障害として主観はできるだけ除することを説きます。

思い込みを捨てて客観的な情報を集めましょう。

Part4 「センス」で、仕事を最適化する 【要約・感想】

効率よく知識を身に着けていくコツは3つあると氏は解説しています。

  1. 王道から解いていく
  2. 今、流行しているものを知る
  3. 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる

1の王道とは、

・定番
・一番良いとされているもの
・ロングセラー
と言われているものです。

王道のものは、改善と洗練を経て、その地位にいるわけであり、それらを知ることは「そのものらしさ」を知ることに繋がります。まずは王道を抑えましょう。

また、王道を抑えることは副次的に、それが王道かどうか、王道はいくつもあることに気づくなかで、ある判断基準であればこれが王道だと多角的な判断ができる知識が得ることが出来ます。

2の今、流行しているものは、

王道と逆の流行を抑えることで、知識の幅が広がります。

流行を抑える上で活用したいのが雑誌を読むことです。ネットでも情報はたくさんありますが、どちらかと言うと速報性が重視され情報に深みがありません。

雑誌は出版過程で情報が網羅的かつ深化されているので、雑誌で現在の流行を抑えていくことは効率的です。

3の「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみるとは、

王道と流行を抑えたあと、その他の情報を得てそれらにはある「共通項」や「一定のルール」を自分で分析することです。

インテリアショップで言えば、王道と流行を抑えたあと、それ以外のお店を見て回り、インテリアショップにある「共通項」や「一定のルール」を見つけます。

例えば、入りやすいお店の共通項や、レイアウトの一定のルールなどを分析解釈することで、インテリアショップらしさをより自分のなかに蓄えることが出来ます。

これらを3つの方法を活用しながら知識を増やしていきます。知識の質はアウトプットに直結します。例えば、下記の3者の説明で質の高いものはどれでしょうか?

1「福沢諭吉ってすごい」

2「福沢諭吉って慶應義塾大学を作った人ですごい」

3「福沢諭吉って「日本を変えてやると」言っていた中岡慎太郎らが騒いでいた頃、「次の時代には学問が必要になるだろう」と考えて、慶應義塾大学を作った人だからすごい」

では、3の説明が情報の質量も高く、説得力があります。知識があるというのはこのようにアウトプットの質に直結します。

Part5 「センス」を磨き、仕事力を向上させる 【要約・感想】

氏はセンスは仕事力であるスキルアップにもつながると説きます。

センスを高める知識の収集は自分を聞き役にすることが不可欠であり、それは他者の人の知識を吸収する上で必要なコミュニケーション能力の向上にもつながります。

また、相手の好みを深掘りすることで表面的な嗜好でなく、なぜ好きなのかまで聴くことでより好みに最適かつエッジがたった提案ができます。聴くことはセンスを磨く上で大切な所作です。

また提案をするときに、実際にインプットした情報をアウトプットする上で大切な3原則があります。

それは「誰が、どんなときに、どんな場所で使うのか」この3Wを常にイメージしながらアウトプットすることで最適な提案ができます。

また知識があることはセンスに大きく関わると説明しましたが、オタクと言われるほどの狭い範囲で深い知識はどう活用するべきか。

これもその対象から類推して自分の知識に紐づけて発想していくことで仕事に活かせると説きます。

例えば、魚が好きな人が、動物クッキーの新商品を提案するとしたら、魚のクッキーはどうか?スイミーという物語が一般的に知られているので、赤い魚のクッキーが一枚入っている魚クッキーと発想は広げることはできます。

 

知識を付けていくときには、不勉強と思い込みをなくすことが必要です。

その対策としては、
・書店を五分で一周して気になったものが何かを確認してみること
・人生の先輩と話してセンスの底上げをする
・「服選び」は自分を客観視し、最適化する身近な方法

がおすすめです。

これらは、嗜好や主観が強く、本屋では決まった場所から、本屋全体を回り、自分が少しでも気になった本を開いてみたり、どんな分野や言葉かを覚えておくことで、客観的な情報を増やすことが出来ます。

人生の先輩には、自分の知らない世界や経験知を得ることが出来ます。

服選びでは、自分や相手への主観をなくし客観的な情報から最適化する作業が効果的です。下記の作業工程が服選びで学べると解説しています。

1 ターゲットの表面的な「特性」を正確に把握する (スタイルなど)
2 ターゲットの内面的な「特性」を正確に把握する (嗜好や性格など)
3 最適化の条件を設定する (ゴール、どうなりたいのか)
4 最適化に向けた機能を設定していく (ゴールを満たすもの)
5 時代環境を考えて調整する (流行など)

 

まとめ

以上、「センスは知識からはじまる」の要約感想でした。

センスとは?知識の集積であり、
センスの磨き方は?知識を客観的にどんどん吸収していくことが大切。

これらを学習習慣の基本的な考え方として取り入れていくことはどの分野でも大切だと感じました。

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