【おすすめ漫画】町田くんの世界 「他人に優しくすること」が見せてくれる世界の美しさ【あらすじ感想】

アナログで不器用、

勉強もできなくて、

運動神経もない町田くん

町田くんが得意と言われることはこれといってない。

それでも町田くんはみんなに好かれ、町田くんもみんなが好き。

なぜだろう。

それは町田くんが、

人がただただ好きで、自分の愛情を他人にも惜しみなく注げるから。

関わった人はみな好意と尊敬を抱く。

優しい人なんてたくさんいるのに、なぜ町田くんなの?

それにはまず、優しさについて考えてみる。

優しさというのは、得意なことや才能と言われることはないかもしれない。

誰かが誰かを紹介する際によく聞く
あの人は優しい人、なんて言われる人はたくさんいる。

優しいという言葉には、手垢がついてしまい、

本来の優しさがないがしろにされることがある。

 

町田くんが見せる愛情や優しさは

強くまっすぐだ。

その優しさは、手垢がとれ、本来の優しさの美しさを見せてくれる。

世界は本当は美しいのだ。そう思わせるほど。

どうしてこうも町田くんが見る世界は美しいのか。

 

本作は、

人類愛というのか愛情に溢れた主人公の町田くんが、

その愛情と優しさを世界に注ぐ。

端的にいうと、

それだけなのだけれど、

それだけでいいと思える。

 

 

町田くんの弟が、最近知らないおじいさんと仲良くなった事を町田くんは知る。

事情を確かめようとおじいさんの家を尋ねると、

どうやら怪しい方でなく、ただただ子供が好きなおじいさんだった。

昔は近所にそんなおじいさんがいたけれども、

最近は、知らない大人と子供が互いにふれ合う機会はなくなっている。

いまは、昭和の時代にあった近所付き合いが減り、

社会で子供を育てるような空気はもはや稀有だ。

そんな現在に、町田くんはこれからも弟や妹がおじいさんと遊べるように、

ひとつの工夫で、互いに現代の空気のなかでも、ふれ合える解決策を見出す。

「君は本当に人の心を掴むのが上手いなぁ」

解決策を見たおじいさんは、一瞬町田くんのことを、

世間の空気に機転を利かせる上手な子だと思ったけれども

すぐに思い直し、

「いや、違うか。君は本当に人が好きなんだね」

と町田くんの発送の機転でなく、

ただ人が好きで何かしてあげたいという動機に感心する。

町田くんが与える愛情や優しさの対象は、親しい人だけに留まらない。

他人に優しい人。

これが手垢が洗い流された優しさの無垢な姿だと思う。

他人とは、見ず知らずの一期一会な人とでもいうのか。

つまり、自分とは関係がないと思ってしまう人。

これはとても個人的な判断基準が多分に含まれるが、

もし、ひとり街中ですれ違ったある人に、

ある対応をするかどうかの逡巡をさせられることがあった時、どう対応するだろうか?

例えば、

自転車をドミノ倒ししてしまった人にどう対応するか?

道が分からなそうな人にどう対応するか?

そもそも対応する必要性を感じるかどうかもある。

あの人は困っている。どうすれば解決できそうか?

問題への気づきと、解決への対策までが想像できるか?

そして、自分がその答えを、

自らの意志で、

自分を知っている人が誰も見ていない状況で

実行できるか?

自分のことを知るひとがいない状況で、

知らないひとに優しくできるか。

そこには、

億劫だったり恥ずかしかったり、

無下にされたり、うまく助けることができなかったり、

実行しないで済ませる瞬間がいくらでもある。

これはつまり自分の優しさが試される瞬間だ。

町田くんが世間で言われる優しさとの違いは、ここにある。

他人にただただ優しくできる。

気後れも恐れも介せず、他人に関わる。

人一倍、ひとの心の傷に気づき、

自分ができることのなかで少しでも癒やそうと試みる。

マザーテレサは、

愛情の反対は無関心である、

といった。

人一倍、他人に関心を持つ町田くんの世界は笑顔があふれる。

どうしてこうも町田くんが見る世界は美しいのか。

他人を含めた多くの人の笑顔の中心に町田くんはいる。

そして、ひとが好きであること。

ひとが好きであれば、ひとが織りなす社会、しいては世界を好きでいられる。

つまり、町田くんの世界は「好き」で占められているのだ。

笑顔と好きで囲まれた相思相愛の世界。

そんな世界が美しくないわけがない。

 

彼女が彼から教わる大切なこと マイインターンを観て

素直であること、可愛がられる人であること

妻が観たいというから観ることになった。

妻も知人に勧められて観ることにしたのだとか。

余談だが、妻は人に勧められた物事を取り入れることが自分より多い。

自分と彼女を比べると、おそらく

勧められる機会が多いことと、

素直に受け入れることができる性格の違いが理由だと思う。

そもそも勧められることが多いということが、

すでに素直さによるものが大きいのではとも考える。

勧めたくなる、伝えたくなるのは、

相手が受け入れてくれる雰囲気がなければなかなか難しい。

その雰囲気が彼女には自分より多くある。

勧められることは、大きくは可愛がられることのひとつでもないか。

可愛がられるひとを羨ましく思いつつ、少しは可愛がられる人になっていければとも思う。

さて、レンタル店にて棚を覗くと、すべて貸出中だった。

改めて、別の日に再訪すると1本だけあった。

自分は、この映画が観たいというよりか、彼女が喜ぶ顔が見たいのだ。

迷わず借りることにして自宅鑑賞。

わたしを救ってくれたのは、40歳年上の“新人(インターン)”
『プラダを着た悪魔』で、恋に仕事に奮闘しながらファッション業界でキャリアアップし­ていく主人公を演じ、世界中の女性から共感を集めたアン・ハサウェイ。あれから9年、­最新作でアンが演じるのは、ファッションサイトのCEO。『プラダ~』の主人公のその­後かのような、全てを手に入れた彼女の新たな出会いと試練を描く話題作が、ついに日本­にやって来る。
舞台はニューヨーク。華やかなファッション業界に身を置き、プライベートも充実してい­るジュールス。そんな彼女の部下に会社の福祉事業として、シニア・インターンのベンが­雇われる。最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールスだが、やがて彼の心の­こもった仕事ぶりと的確な助言を頼りにするようになる。そんな時、ジュールスは仕事と­プライベートの両方で思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られる──。

起業から急成長を続ける多忙な女性CEOの部下に、

齢70の男性がシニアインターンとして配属される。

性別、文化、世代の違いから、はじめは疎ましく思う女性は、

誰にでも好かれ仕事でも成果を出す男性に次第に心を開いていく。

仕事とは、会社とは、家族とは、

人生の多くを占めるそれらに、人は時間と愛情をいかに注げばいいのか。

上司と部下から、友人へと変化する二人の関係とともに、

「大切なことは何か」を教えてくれる映画。

高齢者が持つ付加価値

Eコマース会社が急成長を遂げたり、

女性のCEOが活躍したり、

現在のアメリカのビジネスシーンが伺えるのと同時に、

雇用環境のいち側面が映されているのではないか。

映画の主軸であるシニアインターンは、

先進国における雇用問題を解決する施策のひとつだと思う。

日本でも、ハンバーガー店が高齢者を採用するなど、

高齢者の雇用環境が変化してきている。

高齢者の採用は、企業の社会的責任としての活動だけでなく、

業務上の経験値や、年齢を重ねることでしか出せない柔和な印象など

スキルや人柄などによる、高齢者にしか出せない付加価値がある。

この付加価値がストーリーの価値にもつながっている。

正しいことを心がける

インターンの男性は会社に馴染み、成果を上げていくなか、

WEBの事業会社において自身もWEBに慣れていくため、

Facebookの登録を試み、偶然その手ほどきをする女性CEO。

プロフィールに記載する質問。

座右の銘は?

“You’re never wrong for doing the right thing.”

“正しい行いは迷わずやれ”(字幕)

“正しいことを心がける”(日本語)

男性の紳士的な態度が集約される言葉だ。

意訳のニュアンスで少し印象も変わるが、ここでは日本語版の

“正しいことを心がける”

として受け取る。

彼と行動をともにし始めた女性CEOはちょうど同じ時期、

株主から別の人をCEOにすることを提案されており、

会社を築いた自身の存在価値と

家族との時間を作ることができない母としての存在価値に

新しいCEOを据える決断に思い悩む。

先に挙げた部下の老紳士の好きな言葉である

“正しいことを心がける”

“You’re never wrong for doing the right thing.”

この言葉は、そばにいる彼女にも影響を与える指針になっていく。

つまり、彼の生き方がまわりの人々の生き方すら変えていくのだ。

その様子は、

性別、文化、世代の違いを超える、

人間の生き様というのか、本質的な問題に対するヒントを示してくれる。

正しいことを心がけるにはまず、何が正しいのかを考える必要がある。

正しさとは何か?

この問いが

大人になることであらゆる物事が複雑に絡まっていく人生において、

自分にとって大切なことは何かを整理させていく。

それは決して万人が思う正しさではないかもしれない。

しかし、本人の心の内から思える正しさとして、突き動かしてくれる。

老紳士のインターンを部下にする女性CEO。

ビジネスとしての上下関係こそあれど、

人間的、本質的な関係においては、

彼女が彼のインターンだったのかなと

鑑賞後のすがすがしさに思った。

そして自分は妻の人間性に惹かれながら、

きょうもインターンのように、自分たちの人生において大切なことを教わっている。