【おすすめ短編 映画 】セロ弾きのゴーシュ 宮沢賢治原作 高畑勲監督

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あらすじ チェロ弾き青年が音楽家になっていく

楽団でチェロを弾くゴーシュ。技術やリズム、自信のなさからダメ出しを受ける日々。悔しさと怒りを抱え家で練習していると、猫がやってきた。不躾にあの曲を弾けと言われ、ゴーシュは猫が嫌がりそうな不協和音満載の曲を弾く。次の日はカッコーがやってきて、次の日狸が、また次の日はネズミが弾いてくれとやってきた。

感想 真夜中に動物達がやってくるシーンがワクワクします

ジブリと言えば宮崎駿ともう1人、高畑勲です。彼の代表作は多数あり、いくつか観ていましたが、この作品は宮沢賢治の原作が映画化され、しかも高畑勲が監督であり、TSUTAYAのジブリの棚で妙に光って見えたので借りました。

冒頭ゴーシュが楽長にダメ出しされるシーンから静かに少し暗いトーンで始まります。

このまま続いたら見てられるかなとほんの少し心配しましたが、真夜中に猫がやってくるシーンから物語が加速していくというのか、音楽でいう転調していく感じがして次々と、動物がきてゴーシュの表情や音楽が変化していく過程が楽しく見られました。

動物達が教えてくれた音楽

ゴーシュが動物達の無茶振りに応える音楽はゴーシュをより音楽家にします。

猫からは自分が想う素直な感情を表現すること、
カッコーからは一音一音単調であれ弾き続けること、
狸には自分が持つリズムの特徴を、
鼠には音を響かせることを

動物たちそれぞれと交わした音楽が、最後のシーンである、楽団の演奏会でゴーシュの音楽は一つになり結実します。

楽団の演奏会は成功を収め、鳴り止まないアンコールの歓声に楽長はゴーシュをソロで弾かせることにします。

ゴーシュは以前ダメ出しを受けた延長の嫌がらせかと腹を立てながら、

「いっそこの会を壊してやる」という怒りの想いを、

あの猫に弾いた楽曲とともに観客にぶつけます。

ゴーシュの弾く音楽はゴーシュの内面に溢れ出る怒りが音になり、喚き叫び悲鳴をあげるように鳴り響きます。

演奏が終わり、静まる観客を目の前にし、素に戻るゴーシュ。

その沈黙をかき消すように、観客の拍手喝采が会場に広がります。

楽長はじめ楽団のみんなが褒め称えるなか、ゴーシュは自分が以前よりも音楽を奏でられていることに気づきます。

真夜中に訪れてきあの動物達に、感謝にも似た感情を最後に物語は締めくくられます。

音楽は技術だけではない「何か」がより一層音楽を音楽にする不思議なものであること。

それを言葉にするでもなく、全身で奏でることで身につけていく。

この物語は、時間を芸術にしていく「音楽」を愛した青年が音楽家になっていく過程という「時間」が芸術に昇華された物語です。

カッコーが言った言葉が印象的

最後に、カッコーが言った言葉が印象的でしたので紹介します。

カッコーと鳴き続ける彼らにも音楽があり、いかに鳴き続けるかが大切だそうで、カッコーという単調のメロディを弾くことをすぐやめてしまうゴーシュに対し、

なぜやめたんですか。
意気地のないやつでも喉から血が出るまで鳴き続ける。
なぜやめたんですか。

カッコーと鳴くだけだろと軽んじるゴーシュを、真っ直ぐな目でこう返すカッコー。

ゴーシュの足りない何かに気付かせる言葉に聞こえました。

物語の最後、ゴーシュと、彼の歩く頭上の空を次の場所へ飛んでいくカッコーの姿が重なるシーンと合わせて印象的でした。

こんな人におすすめ

音楽を愛するひと
動物を愛するひと(特にたぬき)
自分の大好きなことに自信が少し持てない人
自分の大好きなことに対し、続けることをためらっている人

次はこの作品はどうでしょう

【平成狸合戦ぽんぽこ】

セロ弾きのゴーシュに出てくる狸がとても可愛く、高畑勲さんが描く狸の魅力を存分に楽しめるぽんぽこは、すでに見ている方も多くいるでしょうがおすすめです。

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