【伊坂幸太郎】短編小説リスト

【おすすめ短編小説】「終末のフール」伊坂幸太郎 地球最後の3年間の人々の生きる想い

短編集あらすじ
八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは? 今日を生きることの意味を知る物語。公式

 

「今日という日は残された日々の最初の一日」
チャールズ・E・デデリック 実業家

伊坂幸太郎氏の短編集「終末のフール」の冒頭の言葉。地球の残り時間がわずかになった世界でも、きょう一日を生きる人々に添える言葉があるなら、上記のデリックの言葉がふさわしい。

終末のフール 伊坂幸太郎

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終末を前にした家族との和解の短編

あらすじ
あと3年で地球は隕石衝突でなくなる。諦念に似た平穏がつつむ世界に、人々はそれぞれの現在を過ごす。老人は過去に自殺した息子と、家を出た娘との和解ができるか?久しぶりに帰省する娘との時間、亡き息子の思い出が家族を少しだけ前に進める。

籠城のビール 伊坂幸太郎

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メディアに家族を壊された兄弟の復讐の短編 

あらすじ
妹が人質事件の被害者になった日から、メディアは彼女を執拗さと曲解や詭弁をばら撒きながら追いかけた。妹は自殺し、母もあとを追ってなくなった。残された兄弟は、3年後に地球がなくなる前にひとり、ワイドショーのMCだった男への復讐を実行する。男とのやりとりから、兄弟は妹と同じように世間に辱め殺すことが復讐ではないと気づく。死ぬことよりも生きることの方がずっと辛い。男と兄弟は約束をする。

冬眠のガール 伊坂幸太郎

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残された時間でも目標を持つことの短編 

あらすじ
地球の残り時間はあと3年。両親はなくなった。残された娘は、この残された時間で生きる目標として、3つのことを決めた。
1つ、お父さんとお母さんを恨まない。
2つ、お父さんの本を全部読む。
3つ、死なない。
きょう、2つ目の目標を達成した。数年間、父の書斎の本棚にある本を読み切り、これからすることがなくなった彼女は、恋人を作ること決めた。父の本で読んだ「新しいことを始めるには、3人の人に意見を聞きなさい。尊敬する人、自分では理解できない人、これから出会う新しい人」のことを思い出し、人に会うことにした。彼女の人生の残り僅かな時間のはじめての恋の始まり。

鋼鉄のウール 伊坂幸太郎

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格闘家の武田幸三氏がモチーフにもなった今日の生き方についての短編 

残された時間、あなたならどうする?と聞かれ、「昨日と同じように練習をする」と格闘家は答えた。聞いた人の驚きと笑いに、逆に聞き返した。「明日死ぬとしたら生き方が変わるんですか?あなたのいまの生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」そんな対談記事を不意に見つけた青年は格闘家と同じように残されたわずかの人生であるきょうも練習に取り組む。

天体のヨール 伊坂幸太郎

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それでも夜空を見つめる短編 

妻を亡くし、この世界も終わりに近づくある日、自身の人生もここで終わりにしようと首をロープにかけたが、失敗した。そのときに走馬灯のような回想が学生時代の天体オタクの友人を思い出した。電話が鳴った相手は、その友人だった。人生を終えるのは彼との再会のあとでもいい。友人は、相変わらずいまでも天体を追いかけている。もうすぐ地球に隕石が衝突するというのに。隕石が衝突する直前はどうする?との質問に友人は、「望遠鏡を覗いている。ひとつ、衝突は夜じゃないと困る」と答えた。その回答に呆れるもひと目、自分も最後に夜空を眺めることにした。

演劇のオール 伊坂幸太郎

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彼女の演技は新しい家族をつくった短編

女優の夢を諦めて、仙台に戻った彼女。両親はなくなり、自身と同じように家族のいない人たちの疑似家族を演じながら毎日を生きていた。ある時は孫、ある時は母、姉、そして恋人を演じながら。ある日、「飼い主」として散歩に出た犬が見つけたマフラーをきっかけに、彼女の疑似家族が新しい家族になる。

深海のポール 伊坂幸太郎

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最後まで生きると決めた短編 

地球の最後まで残り2年となった。ビデオ屋の店主は、10年も前からのビデオと延滞料金の回収にある家を訪ねた。彼のこれまでの10年と、自身の10年を思い出す。学生の頃に苛められて死にたくなった時に言われた父の言葉「生きろ。これは命令だ。」この歳まで生きて、結婚し、子どもが一人いる。残りわずかな時間ではあるけれども、昔、父に言われた言葉のように、自身にも小さなな子どもに対しても最後まで生きることを決める。

 

 

 

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【おすすめ短編小説】ある夜の小さな奇跡の短編集 伊坂幸太郎作品

 

妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL……。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。

今回は本編のあらすじと感想をご紹介します。

アイネクライネ 伊坂幸太郎

ある、小さな、夜の短編 

出会いとは。学生時代の友人夫婦、離婚危機の先輩、身近な人の恋は、出会いの偶然でなく、この人で良かったと思えた判断こそ大切だと。佐藤は街頭アンケートで出会った女性と、思わぬ再開をする。ある小さな夜の物語。

感想

日常は小さな偶然が重なってできているものかもしれない。ただ、その偶然に気づくかどうか、それを奇跡とも思えるかどうかに日常はより彩られる。のかもしれない。日常の小さな偶然を見つけたくなる物語。

ライトヘビー  伊坂幸太郎

こんな恋の始まりもある短編

美容師の美奈子はお客の香澄から弟を紹介された。電話だけのやりとりが続き、恋心というよりも友情に近い関係になっていた。定期的に連絡が途絶える弟の仕事も知らず、ある日香澄にボクシングの世界戦を観戦しようと誘われた。

感想

弟さんは一体何者だろうか?ラストで明かされるサプライズと、本編中に出てくる「斉藤さん」という人物が面白い。路上で1回100円で斉藤和義さんの音楽のワンフレーズをかけてくれるというサービス。その時のお客さんの心境にピッタリのワンフレーズが流れる。本短編集は斉藤和義さんとコラボレーションされており、伊坂幸太郎さんならではのアイデアが盛り込まれていました。

ドクメンタ  伊坂幸太郎

通帳記帳がしたくなる短編

五年に一度のイベントはなんでしょう?彼にとっては免許の更新であり、五年に一度更新場で会う彼女との会話だった。互いに周囲の関係が変化していく様は似ていた。最後にした会話にいまを変えるヒントをもらった。通帳記帳。

感想

通勤時間など同じ時間によく合う人は誰しもいるけれど知り合いになることはあまりありません。同じタイミングで合う人と偶然知り合いになり、偶然にも同じ境遇だった。そこから得たヒントが小さな奇跡をもたらします。ネタバレですが、通帳記帳の振込名義人の記録がメッセージになるところは、いまの時代に少しアナログな懐かしさがありグッときました。

ルックスライク  伊坂幸太郎

サプライズがしたくなる短編

朱美はアルバイト先でクレーム客につかまってしまった。店内にいた男性が、クレーム客に対し「この方がどなたの娘さんかご存知ですか」と言ってクレーム客をたじろがせた。これが二人の出会い。あれから幾年、この作戦を目にする機会がやってきた。読後のサプライズ必至。

メイクアップ  伊坂幸太郎

あの頃の彼女に復讐する短編

高校時代同じグループだった彼女にいじめられた苦い思い出が社会人になり蘇る。コンペ参加社の一人に当時のいじめっ子がいたからだ。発注と受注の皮肉にも高校と逆転した関係性。いよいよ復讐の時が来た。

感想

学生時代から幾年もたつ今思えばあの頃はやっぱり多感であったのかもしれないけれど、それでもあの頃に感じたことはいまも自分の根っこでもあるなと、それがかさぶたのようなものでも。あの頃に出来たかさぶたがまだ治ってなかったことに気づいたら果たして自分はめくるかどうか。それはいまの自分の選択であり、また先の未来を決め、未来をメイクアップすることでもある。軽やかに未来に向かう彼女に勇気付けられます。

ナハトムジーク  伊坂幸太郎

全ての短編が重なり合う短編

短編集最終章、収録の各短編がそれぞれ密接に重なり合い、最後の小さな奇跡が訪れる。

感想

これまでの各編が全て重なり合い少し先の未来の奇跡が見れたときニヤっとしてしまう。過去に出会ったある少年が青年になり、今度は彼らを勇気付ける。偶然は重なり合い韻を踏むような心地よさの読後。奇跡はそれぞれ惹かれあってまた巡り会うのかななんて夢を見せてくれます。

 

 

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