FOXムービー プレミアム 短編映画祭 2014 優秀賞作品「ゼンマイシキ夫婦」

FOXムービー プレミアム 短編映画祭 2014
優秀賞作品「ゼンマイシキ夫婦」
監督:森ガキ侑大
平凡な毎日をすごす夫婦の愛は少しずつ冷めていた。二人の背中には、決して自分では回す事ができないゼンマイがついている。自分のゼンマイは相手にまわしてもらうしかない。何の為に、相手のゼンマイをまわすのか?
夫婦や愛のあり方に触れる、新しいファンタジー。by You Tube

ゼンマイが愛を可視化させる

夫婦の背中にはゼンマイがついている。

ひとりではまわせない互いのゼンマイを、時折まわしあうことで生活は続いていける。

ゼンマイはつまり命であり存在そのものであり、ゼンマイをまわすことは互いの存在への愛を示し、そして時にその愛が試される行為といえる。

試されるとは、ゼンマイをまわす行為という日常に埋もれそうな愛を試されるということ。

つまり愛がなくなると、ゼンマイはまわされない。

ゼンマイがまわされないことがどういうことか分かってはいるけれど、まわせない。

目に見えない愛が、ゼンマイという存在によって可視化される。

ゼンマイがいつ止まるのかわからないけれど、もうすぐ止まることはわかっている。

なぜならもう少しまわすことができたことを誰よりも自分がわかっているから。

その時、止まりそうなゼンマイは、存在の限りなさも同時に可視化させる。

もうすぐ止まる。もうすぐやってきてしまう未来を思うことで、埋もれそうな愛の在り処に気づく。

鑑賞後、

「オマエはゼンマイをまわしてるか?」

自問自答をしていた。